岡山大学の新たな挑戦:MRIからのヘリウム回収
国立大学法人岡山大学が、岩手大学及び岩手医科大学と協力して、使用済みMRIからのヘリウム回収作業を行いました。このプロジェクトは、「中四国・播磨HeReNet」の一環として進められており、地域の研究機関との連携を強化することを目指しています。
1. プロジェクトの背景
ヘリウムは、MRIをはじめとする高磁場装置に不可欠な冷却材です。しかし、現在日本ではヘリウムが100%海外に依存しており、安定供給の確保が急務となっています。岡山大学は、この課題に取り組むため、ヘリウムのリサイクルを通じて持続可能な研究基盤を築くことを目指しています。
2. 実施内容について
2025年12月22日と23日、同大学の関係者が岩手医科大学矢巾キャンパスにて、MRIからのヘリウム回収作業に参加しました。岡山大学からは、畑中耕治副タスクフォース長や研究協力課のスタッフ、さらにNMR装置の保守・管理を行う専門家も参加し、作業に協力しました。
このプロジェクトにより、500Lの液体ヘリウムと気化したヘリウムガス約3㎥の回収に成功しました。液体ヘリウムは、-269℃という非常に低い温度で保持されるもので、この回収作業は高度な技術力を要するものでした。
3. 地域連携と今後の展望
今回のヘリウム回収成功は、岡山大学にとって「HeliGet」の本格実施に向けた第一歩でもありました。続いて、両大学は中四国・播磨HeReNetにおけるスマートスピーカー制御器“WAN-WANシステム”などについても協議を行い、さらなる研究機関との連携を深めています。
地域の中核研究大学として、岡山大学は使用済み設備からのヘリウム回収を通じて、近隣の大学や企業等に液体ヘリウムを供給し、研究・開発を促進していく計画です。これにより、技術革新やイノベーションが生まれることが期待されます。
4. 経済安全保障の観点から
ヘリウムの利用促進は、単なる技術的挑戦に留まらず、経済安全保障の視点でも重要です。不安定な供給状況が続く中、国内での回収と再利用の取り組みは、全国の研究基盤を支える一助となります。
5. 未来への期待
岡山大学と参画機関は、地域の研究力向上と経済安全保障の強化を目指し、挑戦を続けていく意向です。今後ともヘリウムリサイクル事業を通じて、国内の研究・開発の裾野を広げるための取り組みが期待されます。
地域に根ざした研究大学として、岡山大学には今後も多くの注目が集まることでしょう。