男女賃金差異の開示から見えた組織課題
近年、男女賃金差異の開示が進む中で、その結果をただ示すだけではなく、なぜこのような差が存在するのかを深く掘り下げる必要があります。女性活躍推進法の対策拡大に伴い、常時雇用者が101人以上の企業には男女賃金差異を公表する義務が課されていますが、実際にはその背景に潜む組織構造に着目する必要があるのです。数字の開示は目的ではなく、改善に向けた出発点と考えられています。
男女平等の評価とその実態
SHEHUBに寄せられた口コミデータを基にした調査によると、男女平等に関する評価の平均は5点満点中3.6という結果が出ました。約60%が「平等である」と感じている一方で、約25%の人々は「平等ではない」という意見を持っています。
特に評価基準や業務配分、昇進機会において差を実感している声が多く見られ、制度そのものではなく、組織運用に関連する側面にも問題があることが示唆されています。たとえば、ある口コミでは、女性が「お茶くみや掃除、電話対応などを担うべき」という偏見が未だに残っているといった意見が挙げられています。
昇進機会の平等性
口コミデータの分析により、「男性同様に昇進できるか」という問いに対し、肯定的な回答は約45%にとどまりました。一方で、約21%が「平等ではない」と答え、34%は「どちらとも言えない」と回答しています。この結果は、昇進機会に関する制度が整備されつつも、評価プロセスに対する従業員の信頼感が不足していることを示しています。
また、昇進機会の平等性を損ねる要因として、評価基準が不均衡であることや、ライフイベントがキャリアに与える影響、さらには非公式な人間関係が意思決定に及ぼす影響が明らかになっています。これらはすべて組織内の構造的な問題に関連しています。特に、職場での評価が性別や役職によって偏っていることは、賃金差異を生む要因となっているのです。
女性活躍推進法が求める本質
この法律の本質は、単なる情報開示にとどまらず、自社の組織状況を正確に把握し、開示情報を基にした改善に繋げることにあります。特に、男女賃金差異に関連する要素が複雑に絡み合っていることを理解する必要があります。したがって、数値の良し悪しを比較するだけでなく、企業がどのような課題を認識し、それに対してどのようなアプローチをしているのかが、今後の持続可能な成長において重要な視点となります。
企業に求められる姿勢
今後の女性活躍推進および人的資本開示では、単に数値の改善ではなく、組織の状態を客観的に把握し、課題を言語化する能力が求められます。企業が自らの組織をどれだけ客観的に捉え、改善に向けた意思を示せるかが、信頼の構築につながるのです。数値開示はゴールではなく、改善の起点です。
さいごに
日本の女性管理職比率は依然として低く、政府が掲げる30%の目標にはまだ距離があります。この現状において、SHEHUBは情報格差の問題に挑み、女性が自分自身の価値を見出し、キャリアを選択できる社会の実現を目指します。そして、透明性のある情報と安心できる場を提供し、一人でも多くの女性が素晴らしいキャリアを築けるよう支援していくことを宣言します。今後とも、データと当事者の声を基に組織課題の可視化に努め、企業と個人にとってより良い意思決定を助けてまいります。