近年、世界中で生物多様性の減少が深刻な課題となっています。そんな中、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズが、生物多様性に関するリアルタイムデータを運営する株式会社バイオームに出資しました。
バイオーム社は、生物情報プラットフォームを構築し、世界中の生物の分布情報を収集・提供しています。同社が開発したアプリ「Biome」は、すでに100万ダウンロードを突破し、国内最大級の生物情報データベースとして利用されています。これは様々なネイチャーポジティブプロジェクトにフィードバックを与えており、より持続可能な未来の実現に寄与しているのです。
生物多様性の保全は、経済活動にも大きな影響を及ぼしていることが分かっています。現在、世界経済の44兆米ドル、つまり約半分の総GDPが自然資本、つまり森林や土壌に依存しています。しかし、この自然資本は急速に劣化しており、これに対応するための取り組みが求められています。環境省では2030年までに年間47兆円のビジネス機会が創出されると推計しており、これに向けたアプローチを進めているのが実情です。
そこでNTTは、自然保全の活動を推進するための一環として、バイオーム社への出資を決定し、同社との連携を強化することとなりました。この協力関係では、2025年には衛星画像データを利用した植生や生物の広域推定技術の開発が予定されています。これは、地方自治体や企業のネイチャーポジティブな戦略策定の支援にも寄与することでしょう。
バイオーム社は、京都府京都市に本社を構えるスタートアップで、主に生物情報アプリの開発・運営、生物情報の可視化システム提供、さらに環境コンサルティングを行っています。当社の代表者である藤木庄五郎氏は、生物多様性の重要性を訴え、持続可能な社会の実現に向けたビジョンを掲げています。
今後、NTTドコモとバイオーム社がどのようなシナジーを生み出すのか、そして新たなビジネス機会がどのように創出されるのか、注目が集まります。生態系の保護が進むことで、持続可能な未来を構築する取り組みは、企業・社会にとって欠かせない要素となるでしょう。
これからの自然に寄り添ったビジネスモデルの確立に期待し、双方の発展に注目していきたいと思います。