QNXがAMDとの協業を拡大、ロボットソフトウェアの性能向上を図る
QNXとAMDの協業がもたらすロボットシステム革新
2025年3月、ドイツ・ニュルンベルクにて、BlackBerryの事業部門であるQNXが、米国カリフォルニア州のAMDとの協業を拡大することを発表しました。これは、ロボットシステムやその他の組み込みデバイスの性能を向上させることを目的としています。新たに提供される機能には、AMD Kria™ SOMやAMD Zynq™ UltraScale+向けのQNX® Software Development Platform(SDP)8.0が含まれます。これにより、開発者はQNX® Operating System(OS)やQNX® Hypervisorを使用して高性能アプリケーションを実行できるようになります。
この協業は、2024年4月に発表された内容に基づいており、QNXとAMDは組み込みシステムにおけるイノベーションの限界に果敢に挑戦しています。最近の支援の強化は、産業、医療、自動車、ロボティクスなど、多岐にわたる分野のワークロードに対し、堅牢なソリューションを提供するというQNXのコミットメントを体現するものです。QNXのリアルタイムOS(RTOS)が持つ厳格なタイミング制約の機能を利用することで、組み込みソフトウェアに不可欠なシステム動作が実現されるのです。
開発者の新たな可能性
AMDのソリューションエンジニアリング担当ディレクター、Simon George氏は、QNX SDP 8.0の強化された機能が組み込みシステム市場に提供されることを嬉しく思うと語っています。両社の協力により、開発者はAMDのアダプティブプラットフォームとQNXの高い実績と信頼性を活用し、組み込みシステムの潜在能力を引き出せるでしょう。
QNXの最高執行責任者、John Wall氏もこの協業について言及し、AMDのアダプティブ製品に対するサポートの拡大は、組み込みシステムにおけるイノベーションを深化させる重要な一歩であると強調しました。次世代の自律型システムの開発は、特に自動運転ナビゲーションや物体検知のためのディープラーニングモデルの実行など、高度な処理能力を要求します。QNX SDP 8.0は、マルチコアプロセッサーやハードウェアアクセラレータ、GPUの最適化により、これらの需要に対応します。
QNXのリアルタイム性能
ロボット開発者にとって、QNXの利用はAMDテクノロジーの力を引き出し、高度なアプリケーションを開発する手助けとなります。QNXの決定論的なスケジューリングと低レイテンシのリアルタイム性能により、センサー処理や動作制御などの重要なタスクが迅速かつ正確に実行され、予測不能な遅延を回避できます。
この取り組みにより、QNXは広範かつ強力なソリューション群を開発者に提供し、多彩で競争力のある組み込みシステムの環境を構築することを目指しています。QNXは、ハードウェア固有のソフトウェア抽象化レイヤーを採用し、特定の開発プラットフォームへのQNXソフトウェアの実装を容易にします。これにより、QNXの動作環境を整えるための初期化処理やアーキテクチャ固有のタスクなども簡素化されます。
今後の展開に期待が寄せられるQNXとAMDの協業。詳細はQNXの公式ウェブサイト(QNX.com)や公式Twitterアカウント(@QNX News)をフォローして、最新情報をキャッチしてください。
企業情報
BlackBerryは、グローバルに企業や政府機関向けにインテリジェントなソフトウェアとサービスを提供する企業です。自社の高性能基盤ソフトウェアにより、自動車メーカーや産業界のリーダーたちは安全性とセキュリティを維持しながら、革新的なアプリケーションの開発や新たな収益源の創出を実現しています。新的技術の開発に注力し、支援を提供するBlackBerryの取り組みは、業界全体における変革の先端を行くものと言えるでしょう。