リモート勤務が若手の退職意向を高める理由とは盛り上がる退職志向
リモート勤務が普及する中、その変化は若手社員の心にどのような影響を与えるのか、株式会社コーナーが実施した調査から見えてきたことを探ります。
調査の背景と目的
2025年の初め、株式会社コーナーは若手社員を対象にした調査を行いました。対象は新卒入社から1〜3年目のZ世代514名。リモート勤務と残業時間が彼らの退職意向にどう影響するかを明らかにすることが目的でした。
主な調査結果
ワークスタイル別の退職意向
調査の結果、リモート勤務を行っている層(リモートあり層)は、毎日オフィスで働く層(リモートなし層)に比べ、退職志向が高いことが分かりました。リモート勤務により、関係性やフィードバックが安定しにくくなり、それが退職意向を高める要因となっているようです。
働きやすさとやりがいのバランス
特にリモートあり層では「働きやすいがやりがいはない」との感覚が強調されており、この状況から、彼らは高い働きやすさを享受しながらも、手応えを感じづらい現実に直面していることが伺えます。一方、リモートなし層は柔軟性のない働き方に不満を持っています。
残業時間が与える影響
残業時間が多いほど、退職意向は上昇傾向にあります。実際、残業時間が10時間を超えると、約70%が退職を考えると回答しました。また、長時間労働による「柔軟な働き方」への不満が強くなり、退職につながる要因として浮かび上がっています。
転職時の重視点
リモートあり層は、給与や働き方を前提としつつも、成長機会や評価、チーム貢献といった「やりがい」の要素を重視していることが分かりました。これに対し、リモートなし層はやりがいを中々実感できない状況にあるようです。
まとめ
本調査を通じて明らかになったのは、Z世代の退職意向がただの勤務形態や残業時間といった表面的な要因だけでなく、評価やキャリアの実感に直結した内部要因によっても左右されることです。リモート勤務による働きやすさは歓迎される一方で、キャリアアップに関する不安や不満を募らせる結果となりかねません。
企業はこのような状況を踏まえ、柔軟に働ける環境を維持しつつ、評価の透明性やコミュニケーションの質を高める必要があると言えるでしょう。リモート勤務が普及する中で、企業側には若手社員が自らの成長を実感できるような役割・評価・異動の設計が求められています。若手の定着には「働きやすさ」だけでは不十分であり、企業側の戦略的アプローチがカギとなるでしょう。