商船三井、タイSCG社との新たな契約締結
商船三井のグループ企業、MOL ENERGIA PTE. LTD.は、タイ素材最大手であるサイアム・セメント・グループ社の完全子会社、SCGケミカルズ社との間で、液化エタン専用船(VLEC)3隻の長期用船契約を締結したことを発表しました。この契約は2023年1月23日に正式に行われ、新造のVLECが2027年に竣工予定です。
エコフレンドリーな船舶の導入
新造船は、SAMSUNG HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.が手掛けており、全長230m、幅36.6mという大きさを持ち、100,000立方メートルを運ぶ能力を備えています。また、エタン二元燃料推進機関を搭載しているため、従来の重油燃料船に比べて温室効果ガスや硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を抑える設計となっています。
現在、世界において約90隻の液化エタン船が既に発注または竣工していますが、商船三井グループが管理・運航するVLECはこの契約を通じて合計12隻に達することになります。
SCG社との戦略的なパートナーシップ
SCGケミカルズ社は、ベトナムにあるアジア最大級の石化プラントを運営し、米国からのエタンを利用して製品を生み出すことで、その市場における競争力を高めていく方針です。このエタンの輸入に際し、商船三井グループの長年のVLEC事業の実績と信頼性を評価し、この度の長期契約に至ったとのことです。
この契約により、商船三井は液化エタンの輸送を通じて、ベトナムおよびタイの石化産業を支えるとともに、同地域の経済成長に寄与します。
地域経済への貢献
液化エタンの需要は今後も拡大が予想されており、商船三井グループはその需要に応える形でVLEC事業をさらに発展させる考えです。また、既存のLNG輸送業務で培った高度な安全運航管理体制を活用し、安全かつ信頼性の高い海上輸送サービスの提供を目指します。
同社は、グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」に基づき、長期的な安定利益の追求を図りつつ、地域経済の発展に限らず、さらなる成長を続けていくことでしょう。
まとめ
商船三井とSCG社の契約は、液化エタンの輸送分野における重要な進展を示すものです。環境に配慮した新造船と、安全運航の実績がもたらす信頼性の高さが、このパートナーシップの大きな強みといえます。これからの展開に期待が寄せられます。