家庭と仕事の両立の現実を探る──Homeportの調査結果から見える日本社会の壁

家庭と仕事の両立の現実を探る

日本社会において、家庭と仕事の両立は依然として大きな課題です。株式会社Homeportが実施した最新の調査によると、家庭の問題が仕事に影響を与えているとの回答が多数寄せられました。これにより、日本に残る社会的な壁が浮き彫りになっています。

この調査は、2025年5月27日から6月17日にかけて行われ、家庭力アッププロジェクトの卒業生1236名のうち242名から回答が得られました。調査のテーマは「家庭と仕事の両立における課題と心理的負担の関係」であり、結果には多くの示唆が含まれています。

調査結果の概要

約7割の参加者が「家庭と仕事の両立が難しい」と感じており、66.5％が具体的に家庭の問題が仕事に影響を及ぼしたと答えています。調査では、家事や育児を主に担うのが女性である現実も浮かび上がり、家事・育児の分担割合が女性に偏っていることが明らかでした。

さらに、家庭のことでキャリアをあきらめた経験があると答えた女性は35.5％にも上り、実際にそんな状況に直面している多くの女性たちの声が集まりました。「夫が協力してくれない」「在宅勤務でも家事を手伝ってもらえない」といった意見は、働く女性が現在どれだけ苛酷な状況にあるかを物語っています。

生活者の声

家庭内外で孤独感や無力感を感じる意見が多く、特に「ワンオペ育児」が働く女性のキャリアにどれほど大きな影響を及ぼしているかが示されました。しかし、一方で96.3%の参加者が家庭の問題が解決されれば、女性の活躍が促進されると考えています。

支援制度の活用状況

さらに、企業の制度が実際には活用されていない実態も浮き彫りにされました。実際に支援制度を利用したことがある人は3割以下で、制度の内容を知らない、または必要性を感じなかったと答える人が多い現状があります。

このギャップは、制度が「ある」ことを知っていても、それを活用する勇気が持てない多くの女性たちの心理的負担も影響しているようです。

Homeportのアプローチ

株式会社Homeportは、『LCS白書2025』を通じて、家庭の力が個人や社会全体に及ぼす正の影響について語っています。家庭を整えることで自己管理力やチームワーク力など、企業が求めるスキルと直結すると考えています。実際にプロジェクトに参加した多くの女性が、自分自身を見つめ直し、家庭を基盤にキャリアを再スタートさせることに成功したと語っています。

Homeportは、生活者視点からの変革を目指しており、家庭の問題解決を通じて、職場環境や社会全体の幸福度を向上させることに注力しています。今後も調査や啓発活動、企業との連携を通じて、社会全体の変革を推進していく方針です。

代表のメッセージ

Homeportの代表、西﨑彩智氏は、「家庭の中での小さな変化が社会を動かす原動力になる」という信念を持っており、家庭力の向上が社会全体の力を育むとコメントしています。家族関係を整えることで、人々の行動が変わり、社会全体がより良い方向へ進むことを願っています。これからも、家庭と社会をつなぐ活動を続けていく所存です。

この調査を通じて、家庭と仕事の両立問題の解決に向けた意識がさらに高まり、多くの人々がその課題に真摯に向き合うことが期待されています。家庭から始まる小さな変化が、やがて大きな社会変革へとつながることを願います。