キヤノンMJ、チューリングに再び出資、未来の交通を変革
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(通称:キヤノンMJ)が、チューリング株式会社の完全自動運転技術の開発に再度出資したことが発表されました。この支援は、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通じて行われており、前回に続く投資となります。
チューリングの革新的な取り組み
チューリングは、東京都品川区に本社を構える企業で、生成AIを活用した完全自動運転技術の開発に力を入れています。彼らのアプローチは、単一のAIを使ってカメラから取得したデータに基づく環境認識、経路計画、運転制御を行うEnd-to-End (E2E) 自動運転AIにあります。
特に注目すべきは、マルチモーダル生成AI「Heron」です。この技術は、言語や視覚など、異なる種類のデータを組み合わせて判断を行うことができるため、より高精度な運転支援が可能になります。また、リアルな運転シーンを動画で再現できる自動運転向け生成世界モデル「Terra」や、運転環境を自然言語で説明し、最適な経路計画を生成できる「CoVLA Dataset」など、多岐にわたる開発が進められています。
モビリティー産業の変革
キヤノンMJグループは、新たな価値創造のために最先端技術やビジネスアイデアのオープンイノベーションを推進しており、特にチューリングが取り組む完全自動運転技術は、現代の交通のあり方を根本から変える可能性を秘めています。物理的な世界との相互作用を制御できるフィジカルAIとして、この技術は自動運転だけでなく、様々な社会課題の解決に寄与できると期待されています。
持続可能な未来の実現に向けて
キヤノンMJグループは、この出資を通じ、長期的にチューリングの完全自動運転技術の社会実装を支援し、持続可能な未来の実現に向けた取り組みを強化していく方針です。これにより、モビリティー産業の革新と社会的な課題解決が同時に進むことが期待されています。
チューリングとCVCの役割
チューリングは2021年に設立され、カメラを活用したデータ処理に取り組み続けています。彼らの主たる事業内容は「完全自動運転システムの開発」であり、キヤノンMJのCVCファンドは、ウェルビーイングやビジネストランスフォーメーションなど、様々な分野に焦点を当てた投資を行っています。
これまでの投資に加え、今後の技術進展によって実現される「完全自動運転」の実用化に、より多くの関心が寄せられることは間違いありません。日本の自動運転技術が世界の最前線に立つ日も、そう遠くはないかもしれません。