Unsung FieldsとTenstorrentの提携の背景
2025年7月23日、東京に本社を置く株式会社Unsung Fieldsが、AI半導体分野において名高い米国のTenstorrent Inc.と資本業務提携を締結した。この提携は、共同ブランドのAIクラウドプラットフォームを開発することを目的としており、オープンで持続可能なAIインフラを築くための新たな一歩となる。
AI技術の普及に向けた取り組み
近年のAI技術の急速な進展にもかかわらず、それを享受できていない人々や組織が依然として多い。この原因は、主に導入コストや専門人材の不足、インフラへのアクセスの格差に起因している。Unsung Fieldsは、このような課題を解決しすべての人が公平にAIにアクセスできる社会を目指している。この理念の実現のため、2025年3月にTenstorrentとの技術提携を開始し、AIサーバを基にしたデータセンターの運用を始めた。
Tenstorrentの技術と理念
Tenstorrentは、従来のCPUやGPUを超越するAIアクセラレータを開発しており、推論と学習の両方で高効率な処理を実現している。彼らの理念は「すべての開発者が技術にアクセスできるべき」とのもので、透明性とオープン性を重視している。Unsung Fieldsはその理念に共感し、共同ブランドによるAIクラウドインフラ構築を進めてきた。
提携の概要と役割分担
提携によって、両社は長期的な戦略的パートナーシップを築き、役割分担と技術シナジーを明確に定義する。
- - Tenstorrent:AIアクセラレータの開発力を提供し、高性能なコンピューティング技術を提供。
- - Unsung Fields:クラウドアーキテクチャの設計と運用を担当し、日本及びグローバル市場での展開をリード。
この連携により、両社はそれぞれの強みを活かしながら、AIインフラ全体を包括的に提供することを目指している。
具体的な戦略的目標
1.
オープンで透明なAIインフラの構築:全ての構成要素をオープンソースモデルで設計し、誰もが平等にアクセスできる社会を作る。
2.
グローバル市場への新たな提案:アジアを基盤に、持続可能なAIクラウドインフラを提供し、新たな技術標準を作る。
3.
AI社会実装を加速する実行エンジンの形成:両社の技術を組み合わせ、アイデアを社会実装へと結びつけるシステムを構築する。
今後の展開とコミュニティの形成
提携の一環として、AI時代に対応する「オープン・インフラ・コミュニティ」の設立が予定されている。このコミュニティは、開発者、スタートアップ、研究者など多様な参加者が集い、持続可能で透明性のあるAIエコシステムを形成する場となる。日本発の分散型AIクラウドプラットフォームとして活躍することを目指す。
コミュニティの特徴
- - AI、クラウド、ハードウェア専門家と一般エンジニアの共存を促進。
- - 実務と学術が融合するオープンな技術基盤。
- - 専門機関との連携による信頼性確保。
両社のコメント
Unsung Fields社の潮田和則社長は、「誰もが自由にアクセスできるオープンな共創空間がAIインフラの未来」とし、Tenstorrentとの提携に大きな期待を寄せている。一方、
Tenstorrent社のデビッド・ベネット氏も「日本のエコシステムの発展に貢献できることを楽しみにしている」と述べ、両社の連携の意義を強調している。
結論
この資本業務提携は、単なる短期的な協力を越え、「理念・技術・市場」を統合する共創型のグローバルアライアンスの第一歩だ。Unsung FieldsとTenstorrentは、誰もが使える成長エンジンを設計し、未来への道を切り拓いていくことに挑戦している。
企業情報
Unsung Fieldsは、AI技術の進化を支えるデータセンターの構築を専門としており、日本とスリランカの技術を統合している。詳細は
こちら。
Tenstorrentは次世代コンピュータを開発する企業で、詳細は
こちらを参照していただきたい。