2025年の母の日におけるSNSの投稿傾向
株式会社ホットリンクは、2025年の母の日をテーマにしたSNS投稿の動向を探るために、ソーシャルメディア分析ツールMeltwater Japanを駆使して詳細な調査を実施しました。今回はその結果をもとに、母の日のトレンドや、企業がどう施策を展開すべきかについて考察します。
母の日投稿の増加傾向
2025年の母の日当日に寄せられた投稿数は約109万件で、2024年と比べて約9.8%の増加を記録しました。一方で、オーガニックな投稿数、すなわちUGC(User Generated Content)の数は約17.6万件で、前年よりも2.4%の減少を見せています。この数値は、当日だけでなく直近1ヵ月間での言及数およびUGC数ともに下降していることが確認されています。
UGC数の推移
1月から4月末までの期間におけるUGCの推移を見ていくと、4月の初旬から少しずつ関心が高まっている様子がうかがえます。このことから、企業はゴールデンウィークを挟まず4月からプロモーションを開始する必要があると言えるでしょう。特に、5月1日から11日までの間には、毎日5,000件以上のUGCが寄せられ、母の日前日の5月10日には約3.1万件、当日では17.6万件の投稿が確認されました。
投稿の傾向
調査を進める中で、特に母の日当日に投稿されたUGCの中には感謝の気持ちやプレゼントについて触れるものが多く見受けられました。内容を大別すると、贈る側(あげる)の視点に立った投稿と、受け取る側(もらう)の視点に立った投稿が存在し、それぞれ異なるエピソードが展開されています。
贈る側の投稿例
- - 「今年も無事に母の日のプレゼントを渡せてよかった」「母の日にはカーネーションをプレゼントし、感謝の言葉を添えました」
受け取る側の投稿例
- - 「母の日は子供たちから手作りの花束をもらいました」「今年の母の日は、家族と過ごす時間が最高のプレゼントです」
このように、『あげる』だけの視点ではなく、『もらう』側の声も重要な要素となることがわかります。企業はこの二つの視点を取り入れたキャンペーンを行うことで、より多くの共感を生むでしょう。
マーケティング戦略への影響
今回の分析を担当したホットリンクのアナリスト、辻元気氏によれば、UGC数は前年に比べて減少しているものの、母の日というイベントが持つ影響力は依然として大きく、企業が取り組む価値が高いと指摘しています。また、消費者が母の日に対する意識を4月の初旬から高め始めていることから、企業はそこを狙ったタイミングでのアプローチが鍵となると言えます。
まとめ
今後、母の日に関連するマーケティング施策を考える際には、消費者の心理や実際の行動に基づいた分析結果を参考にすることが重要です。母の日に対する理解を深め、企業側からの単なる提案ではなく、消費者の声に応じたキャンペーン戦略が求められています。感謝の気持ちを表現するだけでなく、受け取る側のニーズにも応えることで、より多くの顧客との信頼関係を築くことができるでしょう。ホットリンクは今後も、このような季節ごとのトレンドを調査し、消費者の本音に基づいた情報を発信し続けていきます。