新しい観光客向けアンケートプロジェクトの概要
玉野市と岡山大学が協力し、新たな観光客向けアンケート回収プロジェクトが始まりました。この取り組みは、観光産業の活性化を図るもので、特に低迷していた瀬戸内国際芸術祭関連の来訪者アンケートの改善を目的としています。
岡山大学が事務局を務める「おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)」は、地域の魅力を引き出しつつ、「多くの観光客に回答してもらえる仕掛け」の構築を目指しています。地域、企業、そして学生ベンチャーが協力してこのプロジェクトを進めることは、新たなイノベーションの芽を育てる可能性を秘めています。
プロジェクトの背景と目的
玉野市では、観光客からのアンケート回収率が低いことが長年の課題でありました。この状況を打開するため、岡山大学がリードし、地域のアーティストや企業と連携する新プロジェクトが誕生しました。全体的な目的は、観光地の魅力をより多くの人々に伝え、収集したデータを地域振興に役立てることです。
注目の施策:トイカプセルマシンの導入
昨年5月に開催されたOI-Start主催のオープンイノベーションイベント「Match Up vol.3」での出会いが、このプロジェクトを後押ししました。その中で、石塚王子ペーパーパッケージング株式会社が提供した新商品「パックポン」が、デザイン面で玉野市のアーティストによってアレンジされ、アンケート回答者へのプレゼントとして“トイカプセル”形式で配布されます。
この取り組みの最もユニークな点は、アンケートにタブレットで回答することで、自動的にコインが発行され、そのコインでトイカプセルマシンを利用できるという点です。これにより、観光客は楽しみながらアンケートに参加することができ、従来の方法に比べて回答率が飛躍的に向上しています。
地域での連携と影響
トイカプセルマシンは、観光客が多く利用する宇野駅に設置され、夏会期に比べてはるかに多くの回答を得ることに成功しました。このように、大学・地域・企業・学生ベンチャーの共同作業が立派な成果をもたらす好例です。
加えて、「パックポン」の環境負荷を可視化するためのカーボンフットプリント算定は、岡山大学の研究者たちの協力によって行われており、地域産業のイノベーションとも結びついています。このモデルは、実際に環境負荷の低減に貢献するものとして注目されています。
今後の展望
このプロジェクトは、大学や行政、企業、学生ベンチャーが互いに協力し、新たな価値を創出するセレンディピティの好例とされています。岡山大学は、今後もこのような小さなイノベーションの連鎖を生み出し、地域の課題解決に貢献していくための取り組みを続けていくとしています。
地域の中核的な存在として、岡山大学にはさらなる期待が寄せられています。このプロジェクトを通じて、地域振興と新しい価値の創造を両立させる様子が注目され、他地域でも類似の取り組みが広がることを期待してやみません。