葛飾北斎の名作「神奈川沖浪裏」を描いた特別なピアノ
ヤマハミュージックジャパンが、オーストリアの高級ピアノメーカーであるベーゼンドルファーの限定モデル「The Great Wave off Kanagawa」を発表しました。このピアノは、江戸時代の著名な浮世絵師・葛飾北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」をテーマにしたもので、全世界でたった16台しか生産されません。2025年の大阪・関西万博のオーストリアパビリオンでは、4月13日から10月13日まで展示される予定です。
特徴的なデザインと品質
このピアノは、特別な印刷技術によって「神奈川沖浪裏」がピアノの屋根の内側に再現されています。北斎の作品の色使いを忠実に再現し、側板の内側と椅子のクッションには美しいプルシャンブルーが施されています。また、フレームや譜面台には彼の署名が赤色で施されており、日本文化における赤色の特別な意味合いが反映されています。赤は太陽を象徴し、邪気を払う力を持つ色とされています。
加えて、鍵盤左側の拍子木部分にはシリアルナンバーが刻印された真鍮プレートが埋め込まれ、限定モデルにふさわしい特別感を演出しています。
熟練した職人の手による逸品
ベーゼンドルファーの「214VC」シリーズを基にしたこのピアノは、オーストリアの熟練した職人たちが手作業で丁寧に製作しています。特に、すべてのチューニングピンに1本ずつ独立して弦を張る「総1本張り」の技術が、音程の安定性を大幅に高めており、低音部には手巻きの巻き線が施されています。また、楽器全体の80%以上には高品質なスプルース材を使用し、全体が共鳴することで「ウィンナートーン」と呼ばれる独特な豊かな響きを実現しています。
自動演奏機能で音楽を楽しむ
「ディスクラビア・エディション」として提供されるこのモデルでは、クラシックやジャズなど1000曲以上の名曲を自動演奏することが可能です。歴史的な演奏者であるヴィルヘルム・バックハウスやアルトゥール・ルービンシュタイン、さらにはセルゲイ・ラフマニノフの演奏データも内蔵されており、古の名演奏をも楽しむことができます。
大阪・関西万博での出展
1828年に創業されたベーゼンドルファーは、ウィーンで最も古いピアノメーカーとしてその名を馳せています。「The Great Wave off Kanagawa」は、日本とオーストリアの文化の融合を象徴する作品であり、万博で特別に展示されることで、その存在感をさらに強化しています。これまでにも国際的な展示会に数多く参加している経験から、このピアノもまた、多くの人々にその魅力を伝えることでしょう。
まとめ
ベーゼンドルファーの「The Great Wave off Kanagawa」は、芸術性と音色を兼ね備えた特別なピアノです。音楽愛好家やアートファンにとって、ぜひ手に入れたい逸品となることでしょう。興味のある方は、発売日である4月1日以降、ぜひその目で証し、音色を肌で感じてください。