株式会社イノカが名古屋市の住友理工とタッグを組み、自然共生社会の実現に向けた新たな取り組みを開始します。両社は、それぞれの強みを活かし、環境への悪影響を軽減するための「ネイチャーポジティブ」な社会の実現を目指します。
イノカの取り組みとミッション
イノカは2019年に設立され、自然環境のプロフェッショナル集団として活動してきました。「人類の選択肢を増やし、人も自然も栄える世界をつくる」という使命のもと、海洋生物から淡水生物に至るまで多様な生態系の専門家が在籍しています。顧客と協力して持続可能な新事業を創出し、エコシステムの保全に向けた技術開発に貢献しています。
特に、イノカが手掛ける「環境移送技術®」は、生態系を水槽内で再現できる革新技術です。この技術により、さまざまな生物の生息環境を模擬し、教育や研究に役立てることが可能となっています。これまで149社に232台の水槽を提供し、51の研究プロジェクトや22のフィールド調査を実施。20,000人以上の人々への教育・研修プログラムも行っています。このような実績があるからこそ、新たなパートナーシップとして住友理工との連携が実現したとも言えます。
住友理工の環境ビジョン
一方、住友理工も「環境長期ビジョン2050」を掲げ、脱炭素社会や資源循環型社会、自然共生社会の実現に向けてさまざまな取り組みを行っています。高分子材料の技術を応用し、多様な社会課題に挑戦しているのが特徴です。今回の協業では、イノカの環境移送技術と住友理工の高度な素材技術を融合し、革新的なソリューションの開発を目指しています。
海洋環境への挑戦
近年、地球の約7割を占める海洋は、気候変動や人間活動による影響を受け、深刻な課題に直面しています。これに対応するため、イノカと住友理工は今後、海洋環境の保全に貢献する技術開発や新製品の創出に取り組む予定です。すでにイノカは住友理工の素材を活用した基礎評価に着手しており、独自素材の共同開発が進行中です。
三河湾渚フォーラムによる更なる展開
加えて、2025年3月から住友理工が参画する「三河湾渚フォーラム」は、海洋領域における新たな協力関係を築くプラットフォームです。地域の企業やスタートアップが集まり、海洋資源を活用した持続可能な経済活動に向けた講演や議論が行われます。このシンポジウムは、地域のニーズに則したビジネスモデルの確立に寄与することを目指しています。
未来への展望
イノカの取締役COO竹内四季氏は、「住友理工との協業を通じて新たなソリューションを生み出し、海洋環境を守る未来を共に作ることができることを大変光栄に思います。」と述べています。このように、両社は持続可能な環境作りに向け、今後もパートナーシップを深めていく予定です。イノカが目指す「人類の選択肢を増やす」というビジョンの実現に向けた新しい一歩がここから始まります。