がん治療薬提携
2025-10-16 15:09:24

大鵬薬品とHaihe Biopharmaが新たながん治療薬で業務提携

大鵬薬品とHaihe Biopharmaが業務提携を発表



2023年の秋、大鵬薬品工業株式会社と中国のHaihe Biopharmaが、がん治療薬の開発に向けて独占的なライセンス契約を締結しました。この協力により、リソバリシブ(国際一般名:Risovalisib)という新しいタイプの薬剤が、日本国内での承認発売へ向けた重要な一歩を踏み出しました。

大鵬薬品とHaihe Biopharmaの関係



大鵬薬品は東京都に本社を構え、主にがんや免疫関連疾患に特化した医薬品を開発する企業です。一方、Haihe Biopharmaは中国に本社を置くグローバルな製薬会社で、特に抗がん薬の研究開発に力を入れています。今回の提携により、両社は今後、リソバリシブを中心に治療法の開発を進めていくことになります。

リソバリシブとは?



リソバリシブは、PI3Kα阻害剤として知られる新しい化合物で、特に卵巣明細胞がんに対する効果が期待されています。現在、海和製薬が日本での製造販売承認を申請中です。この薬剤は、がん化学療法後に悪化したPIK3CA遺伝子変異を持つ進行・再発の卵巣明細胞がんに対する治療選択肢となります。

さらに厚生労働省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)としての指定も受けており、その治療需要の高まりが伺えます。

がん治療における期待



大鵬薬品の代表取締役社長、小林将之氏は、「この新たな提携を通じて、卵巣明細胞がん患者のための新しい治療選択肢を提供できることを心から嬉しく思います」とコメントしています。このような新しい取り組みが、患者さんにとって有意義な結果を生むことを期待しています。

PI3Kαと卵巣明細胞がん



PI3Kαは細胞の増殖や生存について重要な役割を担っているタンパク質で、がん治療におけるターゲットとして注目されています。特に卵巣明細胞がん(OCCC)は、日本国内で年間約3,500名が診断される希少ながんで、既存の治療法に対して抵抗性が高いことが知られています。

約30〜40%のOCCC患者において、PIK3CA遺伝子変異が見られることから、リソバリシブはこれらの患者に対する新たな治療アプローチとなる可能性があります。

大鵬薬品の企業理念



大鵬薬品は「私たちは人びとの健康を高め、満ち足りた笑顔あふれる社会づくりに貢献します」という企業理念のもと、がんや免疫関連疾患の研究開発を行っています。同社は、成果をあげることを目指し、国内外での展開を積極的に進めています。

今後の展望



今後も大鵬薬品とHaihe Biopharmaの関係は深まっていくことが予想されます。がんという厳しい現実に立ち向かうため、両社の連携がもたらす新たな治療法の開発に期待が寄せられています。患者や医療関係者が納得できる、真に価値のある医療を提供することで、難治性のがんに対する新たな希望を提供することが求められるでしょう。

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