洪水被害を迅速に把握する新たな技術
東京都渋谷区に本社を構える株式会社Gaia Visionは、独自の技術を駆使して、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する宇宙戦略基金による「衛星データ利用システム海外実証」に選ばれ、特に注目される技術開発課題を発表しました。このプロジェクトは、世界中で増え続ける洪水による被害を迅速に評価し、対応するためのもので、「衛星データを活用した全球洪水被害の即時3次元解析情報提供サービスの実証」がその内容です。
背景と目的
近年、自然災害の中でも洪水は特に多く発生しており、迅速な対応が求められています。しかし、実際には浸水範囲の把握や被災状況の調査は、通信や交通のインフラが壊滅的な影響を受ける場合が多く、情報収集が困難を極めます。これにより、実地調査には多くの時間や労力がかかり、その間に被害が拡大してしまうことも多々あります。Gaia Visionが取り組む技術開発の目的は、発災初動段階で遠隔から迅速に洪水状況や被災人口、被害規模を把握し、復旧に必要な施策を提案することです。
技術の特徴
このサービスの特徴は、以下のポイントに集約されます。
1.
全球を対象:世界中の洪水被害に対応可能。
2.
迅速な結果提供:1-2週間内で被災状況を解析、提供。
3.
詳細な分析:浸水状況だけでなく、具体的な被害要因までカバー。
これにより、行政機関は迅速に必要な復旧策や復興支援が実施でき、また浸水域内のインフラ事業者や事業運営者にとっても早期の事業再開が期待されます。
期待される効果
これまでに多くの災害対策プログラムが存在する中、Gaia Visionが提案する技術は、被災後の復旧・復興に特化したサービスとしての特徴を持っています。特に、敢えて全球規模を対象とし、各地のデータを迅速に分析する仕組みは、他の事例ではなかなか見られない特徴です。これにより、各国の行政機関や企業が被災対策を講じる際の新たな基盤を提供します。
今後の展望
Gaia Visionは、これまで企業や地方自治体と共に気候変動や洪水対策に取り組んできた実績を基に、新たな技術開発を進めています。これにより、既存のソリューションに新しい価値を付加し、更にはこれを武器に世界市場への展開を目指しています。顧客のサステナビリティ向上とレジリエンス強化を実現するための拡充したサービスを提供していく予定です。
会社概要
株式会社Gaia Visionは2021年に設立され、東京大学発のベンチャー企業として、気候科学と水文学の分野に特化した技術を提供しています。高精度な洪水シミュレーションや気候データ分析の技術を駆使して、クライアントの持つ資産の気候変動によるリスク評価を行っています。
会社情報
- - 代表取締役:北祐樹
- - 所在地:東京都渋谷区
- - 設立:2021年9月
- - 公式サイト:Gaia Vision