B2B取引の実態調査：導入事例が信頼を左右する理由とは

株式会社ロゴラボが実施したB2B取引に関する調査をもとに、顧客が求める情報の実態を詳しく見ていきましょう。この調査では、B2B購買に関わる企業の従業員を対象に、情報収集の方法や信頼性について尋ねました。

情報収集のチャネル

調査結果によれば、86.27%の回答者が製品やサービスの情報収集に検索エンジンを使用していることが分かりました。SNSやウェビナーといった他のチャネルも利用されていますが、オンライン検索が依然として主流となっているようです。

導入実績と信頼性の重要性

情報収集において最も重要視される要素の一つは、導入事例や実績情報です。具体的には、66.67%の回答者が「導入実績・事例」を「気になるサービスの要素」として挙げています。また、導入決定の段階でも「導入実績・事例」の重要性が増すことが明らかになりました。このように、導入事例の具体性が購買意思決定において大きな影響を持つことが分かります。

稟議段階の課題

稟議段階において、最もよく指摘される項目は「導入実績・事例の有無」や「費用対効果の試算の妥当性」です。56.86%の回答者がその重要性を認識しており、自社と似た業界や規模の企業の具体的な効果が示されることが受け入れの鍵となります。

フェーズごとの情報の需要

興味を持った段階では、誰がそのサービスを導入しているかや、実際にどのような効果を得たのかに注目が集まります。一方で、選定フェーズや導入後には、より詳細な運用ノウハウや効果の数値的なデータが求められることが分かりました。特に、導入企業が得た効果はすべてのフェーズで重視され、成功事例がその後の購買活動においても参考にされることがうかがえます。

信頼の基盤となる情報の正確性

調査のフリーコメントにおいて、導入実績がないサービスに対する懸念が多数寄せられ、同業他社が導入していればいるほど、情報収集が活発になることが示されました。一方で、実績がウソだと判明した際の顧客の失望感の高さも指摘されています。このことから、ベンダーにとって導入実績の正確性は非常に重要な信頼構築の要素であることが分かります。