日立産機の未来技術
2025-04-17 15:32:51

日立産機が推進する次世代インバータがもたらす電力安定供給とレジリエンスの未来

日立産機が推進する次世代インバータ



グリッド・フォーミング・インバータとは



株式会社日立産機システム(以下、日立産機)は、次世代の電力供給技術として「グリッド・フォーミング・インバータ(GFM)」の開発に取り組んでおり、2025年4月から習志野事業所においてその運用を開始します。この技術は、再生可能エネルギーの普及によって不足が懸念される『慣性力』を擬似的に生み出し、電力供給の安定化に寄与することを目指しています。

電力安定供給の重要性



日本の電力供給は、東日本の50Hzと西日本の60Hzという二つの周波数によって成り立っており、そのバランスが崩れると、電力機器の動作が不安定になります。特に、火力発電に依存する従来のシステムでは、タービンの慣性力によって周波数の変動を抑える役割を果たしています。しかし、カーボンニュートラル社会の進展に伴い、再生可能エネルギーの利用が増えると、火力発電所の稼働が減少し、結果として電力系統の慣性力が不足するリスクが高まります。

仮想同期発電機制御(VSG)技術



GFMは、擬似的に慣性力を生成することができるため、仮に電力需要が急増した場合でも、電力系統を安定して維持することが可能です。また、GFM同士が協調し、自立した電力系統を形成する能力も持っています。これにより、企業や自治体が小規模なマイクログリッドを構築することが促進され、電力システムのレジリエンス向上が期待されています。

習志野事業所の新システム



習志野事業所では、合計81.9kWの太陽光発電設備を新設。これにより、年間39.2t-CO2の温室効果ガス削減が見込まれています。新しいシステムは、GFMが構成する交流マイクログリッドと、直流マイクログリッドに分かれており、停電時でも自立的に動作できる機能を備え、災害時の電力供給のレジリエンスが向上しました。

交流マイクログリッド



交流マイクログリッドでは、3台のGFMを並列に配置することで、太陽光による発電電力の変動にも対応できます。これにより、安定的に給水ポンプや構内放送施設への電力供給が可能となります。

直流マイクログリッド



直流給電網は、太陽光発電からの直流でポンプを駆動します。この方式はエネルギー効率が高く、余剰電力を蓄電池に蓄えたり、商用交流系統に供給したりすることができます。結果として、電力と水の供給システムの安定性が高まり、災害時にも対応できる体制が整いました。

環境への配慮とサポート体制



このシステムは、環境省の補助金を受けることでさらに注目されています。日立産機は、持続可能な社会の実現に向け、革新的なソリューションを提供しています。さらに、製品寿命を通じたサポートを行い、お客様に最大限の価値を届ける努力を続けています。

まとめ



日立産機システムが開発したGFMは、今後のエネルギーミックスの変化に対応し、電力供給の安定性とレジリエンス向上に大きく貢献する技術です。将来の持続可能な社会を見越し、この技術がどのように活用されていくのか、今後の展開が非常に楽しみです。

詳しい情報や技術詳細は、こちらの映像をご覧ください。


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