進化する農業営業管理
株式会社オーレックが、画期的なAI画像解析サービス「UPWARD AI Scan」を導入した。この革新は、農業機械の貸出管理における業務プロセスの効率化に寄与し、よりスムーズな運用を実現する。
オーレックは福岡県に位置する農業機械メーカーで、日本国内では自走式草刈機においてトップシェアを獲得している。製品の品質はもちろん、海外市場でも50カ国以上に展開されるなど、その影響力は計り知れない。オーレックの営業部門では、販売店からの製品実演依頼に応じて機械を貸し出し、実演やデモンストレーションを行うが、その管理業務は手作業で行われており、記録のミスや貸出状況の把握が難しいという課題が存在していた。
新システムの導入背景
従来、オーレックでは紙やExcelを用いて貸出機の管理を行っていた。これにより、営業担当者が記録を忘れたり、情報の確認が遅れることが頻繁に発生していた。そこで、営業活動の可視化を目指し、DPWARD株式会社の「UPWARD」を活用することを検討した。特に、実際に機械の写真を撮ることで、型式や型番を自動的に取得できる「UPWARD AI Scan」は、営業の現場に新たな風をもたらすことになる。実証実験(PoC)を通じて、その効果が実証されたため、導入が決定された。
「UPWARD AI Scan」の活用法
新システムを導入するにあたり、オーレックはSalesforceを活用した貸出管理台帳を作成。これにより、これまでのような手作業による台帳管理が大幅に効率化された。UPWARD AI Scanを用いることで、貸出予定の機械の型式と型番は画像解析により自動取得され、入力負荷が大きく削減された。また、リアルタイムに情報がSalesforceに連携されるため、営業担当者は最新の貸出状況を瞬時に把握できるようになった。
さらに、貸出機マスターと貸出管理台帳が連動し、未登録の機械が貸出登録された場合には自動的に新規登録される仕組みも構築された。これにより、マスター整備の手間も軽減され、営業活動をさらに円滑に進めることが可能となった。
オーレックの国内営業部の荒川義明氏は、「UPWARD AI Scan」の導入後、営業所での業務が格段に楽になったと実感している。これまでの課題であったメモの取り忘れや記録漏れが減り、営業所員全員が業務効率化を享受できる環境が整ったことを強調した。
今後の展開
今後、オーレックでは大学や地域のニーズにビッグデータを活用できるような分析環境の構築も視野に入れている。すでに、自社のシステムを活用してどの地域でどの製品の需要が多いのかを把握し、それに基づいた対応策を講じることでさらなる効率化を図る計画が進行中だ。
「UPWARD」は、外回りや訪問営業を支援するAIを基盤としたサービスで、すでに多くの大手企業に導入されている。オーレックは、今後もこのサービスを活用して営業の効率をさらに高め、農業機械の普及を進めていく方針だ。
UPWARD株式会社の取り組みは、働く場所に縛られないフレキシブルな業務環境を提供し、企業の成長を加速させる要素ともなるだろう。
会社概要
UPWARD株式会社は2016年に設立され、東京都千代田区に本社を置く。営業支援サービス「UPWARD」の開発・提供を行っており、フィールドワーカーの業務を効率化する手助けをしている。今後も、技術を通じて労力の軽減と業務改善を図りながら、企業と社会の両方に貢献していく。