AIが導く1on1成功の型、コグニティの最新分析サービス

コグニティ株式会社が新たに展開する「1on1解体新書」は、AIによる分析を駆使して1on1面談やコーチングの成功パターンを徹底解剖するシリーズです。定性情報を定量化する技術を用いたこの取り組みは、これまでの経験や感覚に頼りがちな1on1の課題を解消し、再現性のあるノウハウを提供します。これにより、マネージャーやリーダーは部下とのコミュニケーションをより効果的に行えるようになります。

背景と目的

1on1やコーチングの場面では、従来の方法では「なんとなく良い」という感覚に頼る部分が大きく、個々のスキルや環境による差が課題とされてきました。また、主観的な指導は実務において具体性に欠け、再現性が低いため効果的な情報伝達が難しいのが実情でした。コグニティは、その課題をAIを活用した定量的な分析によって克服することを目指しています。

コグニティの技術

コグニティが開発した「CogStructure」と呼ばれる技術は、会話のトピックや関係性を解析し、質問や承認、ストーリーの展開を数値化します。これにより、表面的な特徴にとどまらず、論理構成や質問の的確さなど、会話の戦術レベルにまで深く踏み込んだ分析が実現可能になります。医療分野に例えるなら、従来の面談支援ツールが「問診」程度であるのに対し、コグニティは「CT/MRIレベルの精度」を持つと言えます。

1on1解体新書の内容

シリーズは全12回にわたる予定で、各回では実際の面談の場面を分析します。第1回では、プロコーチの五十嵐久氏が行ったコーチングの様子を分析し、質問の質や構造について詳しく探究しました。彼の手法では、短時間の中で高い質のオープン質問が特徴であり、質問の数も多く、相手に深い思考を促す効果があることが明らかになりました。

第2回では「キャリパッ」代表コーチの木下華奈子氏によるキャリアコンサルティングの場面が取り上げられました。相手を重視した傾聴姿勢が際立ち、相談者に自然に長文の回答を引き出すための技巧が確認されました。具体的には、相談内容を丁寧に言い換えたり、質問のタイミングを工夫したりすることで、信頼関係が構築されていくプロセスが観察されました。

パネルディスカッション

各回の後半には、分析者とコーチ本人が実務への活用方法を議論するパネルディスカッションが設けられます。ここでは、「対等なパートナーとしての関係性」や「上司の心構え」が1on1の成功にいかに影響を与えるかが強調され、信頼関係の重要性が再確認されます。

今後の展望

今後の展開として、コグニティは幅広い業界に向けた応用も考えており、例えば営業現場でのOJTやカウンセリングに活かせるスキルの紹介を予定しています。「1on1解体新書」は、ただのノウハウ紹介にとどまらず、日常業務におけるコミュニケーション改善を促進する情報発信のプラットフォームとして進化を続けるでしょう。