アラン・メンケン ソロコンサート「ホール・ニュー・ワールド・オブ・アラン・メンケン」レポート
2025年7月7日、この夜、大阪府立国際会議場にて、ディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンのソロコンサートが開催されました。彼の音楽と魅力的なストーリーテリングを通じて、観客はアランの歩みを振り返る特別な体験をすることができました。
アランは『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』、『アラジン』など、数々の名曲を世に出してきた作曲家です。彼の登場に会場は拍手と歓声で迎え、「こんばんは! 暑いね!」と日本語で挨拶した彼は、すぐさま『アラジン』の「Prince Ali」を演奏しました。その姿は、まさにディズニーの魔法が舞い降りたかのようです。
コンサートは、彼自身が手掛けた脚本と構成により、ピアノ演奏と映像演出が噛み合う形で進行。第一部では、11歳で初めて作曲した「Can’t Bring Back the Past」を披露し、幼少期からの音楽への愛情を語る場面では観客から笑い声があがりました。
続いて、彼の人生の大きな節目となった盟友ハワード・アッシュマンとの関係について語られました。彼とは1979年に出会い、多くの名作を生み出しました。トーク中には、ハワードの闘病生活についても触れ、彼の不屈の精神と創作活動を交えたエピソードが紹介されました。特に、ディズニーアニメ『美女と野獣』の音源として残されているカセットテープの一部が紹介されると、観客はその貴重な瞬間に引き込まれていきました。
第一部の締めくくりでは、アランが「The Way It Was Before」を感情豊かに演奏し、ハワードへの思いを切々と歌い上げました。この時、映像には二人の様々な思い出の写真が映し出され、アランの涙ぐむ姿に多くの観客が心を打たれました。
後半の第二部では、イギリスの著名な作詞家ティム・ライスとの出会いから始まるディズニーソングの制作秘話も披露されました。二人が共作した「A Whole New World」は、アランのキャリアを大きく変えた楽曲です。この曲を通じて、アランは音楽の持つ力を強く実感したと語ります。順次披露される楽曲には、それぞれの思い出や制作背景が語られ、観客はその深いストーリーに感銘を受けました。
「今も新しい曲を書くたびに“すべてが初めて”の気持ちがある」と語るアランの言葉には、彼自身の音楽への情熱と向上心が表れています。ラストには、ハワードとの共作である「Proud of Your Boy」を感情豊かに演奏し、親への感謝の気持ちを込めました。この曲は、アランにとって特別な意味を持つものであり、彼の心に深く響いたことでしょう。
コンサートのフィナーレでは、アランが「Compass of Your Heart」を歌い上げ、その最後に会場は一斉にスタンディングオベーションで応えました。「そういえば、アツいね!」と陶酔した表情で観客に語りかけたアランの姿は、心温まるものでした。貴重な夜、一貫して彼の紡いだメロディーに包まれ、観客はまるで星空の下にいるような幸せなひと時を過ごしたことでしょう。
このコンサートは、ディズニー音楽の魅力とアラン・メンケンの半生を知る貴重な機会となりました。観客は、彼の描く魔法のような楽曲に酔いしれ、またすぐにでも彼の音楽を聴きたいと思いを馳せたことでしょう。今後も彼の音楽が多くの人々に愛され続けることを願ってやみません。