知っておきたい「界隈」の民度とは
近年、SNSにおいて「界隈」という言葉が頻繁に使われるようになりました。この「界隈」は、特定の興味や趣味を共有する人々の集まる場所を指し、様々な目的や形態を持っています。マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークが2025年8月19日から21日の間に、20〜40代の男女765人を対象に実施した『界隈ごとで見た、「民度」に関するアンケート調査』の結果が公開され、その内容が注目を集めています。
調査の概要
この調査では、「民度」という概念の背景にある要因を探ることを目的として、SNSを利用する界隈内での行動やルール、情報発信の場などについて質問が行われました。調査結果には、ライフスタイル系と社会・時事系の民度に関する興味深いデータが含まれていました。特に、ライフスタイル系の「民度」は約47%という高い数値を示しており、対照的に社会・時事系は約33%と低い結果となりました。
所属意識と界隈の特徴
調査によると、どの界隈カテゴリーでも「所属している意識」が7割を超えたことがわかりました。「アイドル・アーティスト・俳優系」が特に高く、53%がこの意識を持っていました。一方、「ライフスタイル系」は34%とやや低い数値を示しました。これは、ライフスタイル系が他の明確なコミュニティと比べて、興味の幅が広く、ゆるやかなつながりが多いことが影響している可能性があります。
特に目立ったのは、アイドルやアーティストを支援するファンたちの活発なコミュニケーションが反映されている点です。このような領域では、ポジティブな意見が多く、互いにサポートしあう文化があります。
行動する場所とSNSの影響
どの界隈カテゴリーにおいても、「最も行動する場所」のトップにはX(旧Twitter)が選ばれました。特に、アイドルとアーティストに関する界隈は66%がこのプラットフォームを利用しており、一番活発に活動していることがわかりました。ライフスタイル系は、自らの興味に合わせてInstagramの方が利用されており、Xをやや上回る40%となりました。このことは、ビジュアルコンテンツが求められるライフスタイル系の特性を反映した結果と言えるでしょう。
民度スコアの算出と全体の傾向
調査の中で民度スコアも設けられ、参加者が感じた界隈の雰囲気や行動についてポジティブな選択肢を選ぶことでスコアが加算され、ネガティブな選択肢を選ぶことで減算される仕組みとなっています。ほとんどのカテゴリーで±0.5の範囲内にスコアが収束し、大きな差は見られませんでしたが、社会・時事系は唯一マイナスの結果となりました。
一方で、ライフスタイル系はそのスコアが高く、参加者からは親切で肯定的な意見が多く寄せられました。これに対し、社会・時事系では誹謗中傷や根拠のない情報が多く、参加者はその文化を否定的に感じていることが反映されています。
結論
この調査結果は、各界隈の文化の違いやコミュニティとしての健康性を知るための貴重なデータを提供しています。今後も自分の関心のある界隈についての理解を深め、より良い交流の場を提供するための参考としていきたいものです。