中古億ション市場の変化とは?
近年、富裕層・超富裕層の増加が日本の経済に影響を与えています。その中で、不動産市場における「中古億ション」(1億円以上の中古マンション)の動きが注目されています。特に、株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」による調査から、東京都をはじめとする地域における中古億ションの掲載割合や問い合わせ数に顕著な変化が見られています。
富裕層の増加と不動産市場
2023年において、野村総合研究所のデータによれば、純金融資産を1億円以上保有する世帯数は165.3万世帯に達しました。これは調査開始以来、過去最高の数字です。この増加は、当然のことながら、不動産市場にも影響を及ぼしています。
中古億ションの市場についてLIFULL HOME'Sのデータを基に分析すると、東京都の中古マンション市場では、2019年当時の掲載割合がわずか2.6%であったのに対し、2025年には15.0%にまで急増する見込みです。これは、東京の不動産市場が富裕層を中心に活発化している証でもあります。
各地域における掲載割合の変化
東京都以外の地域でも、経済的な影響が見え隠れします。神奈川県や大阪府、京都府でも中古億ションの割合は上昇傾向を示しています。神奈川県では2019年に0.1%から2025年には0.9%に増加していますし、大阪府では0.4%から2.6%に跳ね上がっています。地域によってその増加幅は異なりますが、いずれも富裕層の波及効果が影響を及ぼしていることを示しています。
中古億ションの問い合わせ数 増加の傾向
問い合わせ数のデータを価格帯別にみると、特に「3億円台」の物件に対する反響が大幅に増加しています。2019年を基準にみると、2024年には866.2%もの問い合わせが見込まれています。続いて「4億円以上」の物件も大きな伸びを見せ、555.6%の問い合わせ数が予想されています。このように、高価格帯にて顕著な増加が見られることは、経済的余裕を持つ顧客層が増えている証拠です。
2024年の市場見通し
LIFULL HOME'Sの報告では、2024年における東京都の中古億ション率が過去最高の11.5%に達すると見込まれています。この数字は、東京都の中心部での不動産取引が活発化していることを示しており、近い将来には20%に達する可能性すら秘めています。都心部においては、すでにキャピタルゲインを狙った投機売買が行われる状況となっています。
まとめ
今回の調査結果から、富裕層の増加は日本の不動産市場、特に東京都における中古億ションの動向に大きな影響を与えていることが明らかになりました。この流れは今後も続くことが予測され、他の地域においても富裕層市場の拡大が進むことが考えられます。今後の市場動向にもご注目ください。