外国人大学院生の採用動向と日本語能力の重要性について調査結果を発表

外国人大学院生の採用動向と日本語能力の重要性について

株式会社アカリク（本社：東京都渋谷区）が実施した調査によると、外国人大学院生の採用に関して企業は「日本語能力」を最も重視していることが分かりました。この調査では、外国人採用を検討する企業の人事担当者107名を対象に、日本語能力やコミュニケーション能力に関する実態を把握しました。

調査の概要

調査では、92.6%の企業が外国人大学院生を採用する際、「日本語能力」を重視していると回答しました。その中でも、特に「社内のコミュニケーションに必要だから」という理由が72.7%を占めています。このように、言語能力は社内外でのスムーズなやり取りを実現するための鍵となっていることが伺えます。

さらに、外国人大学院生の採用基準として、約6割の企業が「N2レベル（ビジネスに必要なレベル）」以上の日本語能力を求めています。このことから、日本の企業文化における言語の重要性が際立っているといえるでしょう。

コミュニケーション能力も重視

外国人大学院生を採用する際、企業が重視するポイントとして「コミュニケーション能力」が67.3%で続きます。このことが示すように、業務遂行に必要な適切なコミュニケーションが取れることが求められており、専門性や研究内容も大事ですが、それを支える能力として、まず言語とコミュニケーション力がまず挙げられる結果となりました。

採用の今後の方針

今後の外国人大学院生の採用方針については、27.2%が「積極的に採用を増やしていく」と回答し、30.8%が「現状維持で採用を継続する」と答えています。この調査結果から、企業は外国人材の採用に前向きである一方で、現状の維持を選択する企業も多く、様々な環境に応じた柔軟な方針が求められることがうかがえます。

課題が浮き彫りに

外国人大学院生の採用において最も高い比率を示した課題は「長期的なキャリアパスの設計」で、50.5%がこの点に悩んでいると回答しました。採用後の教育や受け入れ体制も重要ですが、特に将来の成長と成功を視野に入れたキャリア設計の必要性が強調されています。

企業の求める支援体制

調査の結果、採用後のフォローアップ体制や異文化理解研修が必要だと感じる企業が約6割に上り、外国人大学院生の採用に向けた環境整備の重要性が示されています。このように、言語能力だけでなく、異文化交流の支援も不可欠であると言えるでしょう。

まとめ

株式会社アカリクの調査を通じて、外国人大学院生の採用において企業が高い日本語能力やコミュニケーション能力を期待する実態が明らかになりました。企業が外国人材を積極的に採用する意向を持つ一方で、長期的なキャリアの設計や異文化理解を含む支援体制の整備が不可欠であることも指摘されました。これからの人材採用において、採用基準の明確化と入社後の支援体制の強化が重要な課題となるでしょう。