医療的ケア児にお花見体験を届ける『桜配りプロジェクト』
日本の春を象徴する桜。この美しい花を障害を持つ子どもたちにも楽しんでもらおうと、株式会社TRINUSが展開する『桜配りプロジェクト』が今年も始まりました。このプロジェクトでは、外出が難しい医療的ケア児たちに、桜の切り枝を届ける活動を行っています。
プロジェクトの背景
毎年、春が来ると多くの人々が花見を楽しみますが、背景には外出が難しいお子さんたちがいます。厚生労働省の統計によると、医療的ケアを必要とする子どもたちは2万人を超えており、彼らは外に出ることができず、自然の変化を感じる機会が限られています。
TRINUSは、そんな現状を少しでも改善するために、認定NPO法人フローレンスと連携し、毎年約30の家庭に桜をお届けしています。今年で3回目となるこの試みは、たくさんの笑顔を生み出しています。
桜の魅力
桜の魅力はその美しさだけではありません。切り枝を家に飾ることで、家族全員が春を感じ、少しでも心が和む瞬間を持つことができます。特に医療的ケア児の親にとって、子どもが自然の美しさを体験できることは、精神的な栄養にもなります。
例えば、2023年には、わずか600gで生まれたかいりくんという男の子が桜をもらいました。彼は常に家で過ごすことが多く、外出の機会が限られていましたが、桜を見ると目を輝かせて楽しむ姿が印象的でした。お母さんは「こんなにじっと何かを見つめることは珍しい」と嬉しそうに語ってくれました。
SiKiTOの役割
この桜配りプロジェクトは、SiKiTOというECサイトがサポートしています。SiKiTOは「美しく、うつろう四季とともに暮らす。」をテーマに、季節に応じた枝物を定期的に届けるサービスを展開しています。このようなサービスを通じて、家の中でも四季の移ろいを感じられる環境が整えられるのです。
さらに、SiKiTOの『枝もの定期便』は、春には花が咲く枝、夏には新緑のドウダンツツジ、秋には野ばらの実など、季節に合わせた様々な枝を届けるサブスクリプションサービスです。これにより、切り花よりも長持ちし、家庭で楽しむことができます。
2024年の様子と今後の展望
2024年の桜配りプロジェクトでもリカちゃんという女の子に桜が届けられました。彼女は外出に多くのエネルギーを必要とするため、家での時間が長い子でしたが、初めは戸惑いながらも次第に桜の花びらに手を伸ばし、その美しさに夢中になっていきました。
家族は「桜を見ながら、晩酌が楽しみです」とその様子に感動していました。こうした小さな幸せが広がることで、医療的ケア児とそのご家庭にとって、春が訪れる特別なひとときになることを願っています。
まとめ
『桜配りプロジェクト』は、ただの花の配布にとどまらず、医療的ケア児たちに「外出できないからこそ家の中でも春を楽しもう」という新たな提案をしています。今後もTRINUSとフローレンスは協力して、より多くの子どもたちに春の喜びを届けていくことでしょう。