新しい拠点「北九州BASE」が地域の未来を切り拓く
2024年、Vision Base株式会社が福岡県北九州市に新たな拠点「北九州BASE」を設立しました。これにより、AI都市宣言をする先進都市としての地位をさらに強化し、地域に根ざした事業の展開を加速させていくことを目指します。
北九州市が抱える課題と未来への取り組み
北九州市は、かつて日本の近代化を牽引した都市として知られていますが、現在は深刻な人口減少という社会課題に直面しています。特に少子高齢化の進行に伴い、労働力不足や地域活力の維持、さらには介護負担が増大しています。このような課題を前に、北九州市は2025年にAI活用推進都市としての宣言を行い、地域産業の活性化を図るための具体的なロードマップを策定しました。
この動きに呼応する形で、Vision Baseは「北九州BASE」を設立し、地域企業や行政、教育機関との連携を密にしながら、多様な社会課題への解決策を提供していく方針です。
北九州BASEの目指すAIの活用
「北九州BASE」が果たす役割は、単なる開発拠点ではなく、地域課題の解決に向けたAIハブとしての重要性を持っています。具体的には、以下の三つの柱を軸に活動を展開します。
1. 地域産業のDX推進
北九州市の基幹産業である製造業や建設業、物流業に対し、AIを利活用したデジタルトランスフォーメーションを推進します。熟練技術者の技術を若手に継承する「技術継承AIチャットボット」や、現場作業の効率化を図る「音声AI報告書作成システム」など、業界特性に応じた具体的なソリューションを提供します。
2. 社会課題解決プロジェクトへの参画
人口減少対策やインフラの老朽化、介護分野の負担軽減など、北九州市が取り組む社会課題に対してAI技術を活用し、積極的に協力していきます。また、「道路反射鏡AI健全度診断」などの先進的な取り組みを通じて、市民が豊かさを実感できる持続可能なまちづくりに寄与します。
3. 次世代AI人材育成と雇用創出
地域のAI人材の育成も重要なミッションです。今後3年間で50名の専門人材を採用し、未経験者に対しても新たな育成プログラムを提供します。さらに、地元の大学や高専との連携を進め、インターンシップや共同研究を通じて地域の若者がグローバルなスキルを身につけ、地元貢献につながるキャリアパスを構築できる仕組みを整えていきます。
Vision Baseの思い
Vision Baseの代表取締役である宮崎由剛氏は、新拠点設立への意気込みを次のように語っています。「北九州市の高い志とAI活用推進都市の取り組みに深く共感し、我々の技術を使って地域の企業や市民の生活の質を向上させていく所存です。」
一方で、北九州BASEの拠点長・垣添祐太氏は、地域の課題を身近に感じながら、「AIで地域の力と人の時間を取り戻す」ことに挑戦する意欲を見せています。
未来に向けて
北九州BASEは、次世代のAI都市づくりを核に、暮らしを豊かにする地域振興を実現していきます。行政や地域企業、市民との共創を通じて、この地から新しい価値観を発信し、全国そして世界への広がりを目指します。この新たな取り組みが、地域の未来を明るく照らす一助となることを期待しています。