金融機関の経験者採用動向が示す新たな求人市場の変化

はじめに

最近のレポートによると、金融機関における経験者採用の求人件数が急増しています。特にITエンジニア職は、過去6年間で約9倍も増加しています。この変化は、新卒一括採用から中途採用へのシフトを示すものであり、金融業界の採用方針が大きく変わろうとしています。本記事では、最新のデータをもとに、金融機関の求人動向や採用市場の状況について詳しく解説していきます。

経験者採用の増加

株式会社フロッグが発表したデータによれば、2019年から2025年の間に金融機関の経験者採用に関する求人件数は608件から3,349件に増加し、驚異の450.82%の伸びを見せています。この成長の背景には、企業が専門性のある人材を求めていることが挙げられます。

新卒採用との比較

新卒一括採用が主流だった金融sectorでは、経験者採用の企業比率が2022年の27.3%から2025年には37.6%に上昇しており、今後の求人市場において新卒寡占の時代が終わる兆しが見えています。

求人件数の動向

- 全体的な求人件数

2019年1月から2025年1月にかけて、金融機関の経験者採用求人件数が55%以上拡大しました。2021年には一時的に減少したものの、2022年には回復し、2025年には大きな増加を見せています。

- 指数比較

他業種に比べ、金融機関の求人で求人数や企業数が著しく高くなったことがわかります。特に2025年には、金融機関の求人件数は552.82の指数を記録しました。

職種別の分析

金融機関内の職種別に見ると、ITエンジニア職の求人が約9.23倍と最も高い成長を遂げています。この背景には、IT技術の進化が大きく影響しています。次いで営業・事務職が約5.56倍、専門職が約4.80倍となり、販売・接客職も2.25倍に増加しています。特にITエンジニア職の急増は新たな市場ニーズを反映していると言えるでしょう。

平均月給の動向

金融機関の平均月給は280,169円であり、2025年には月給100万円を超える求人も存在しました。企業別に見ると、京都銀行が100万円、あおぞら銀行と東京スター銀行が80万円、みずほ銀行とソニー銀行が75万円を提示しています。このような高額月給を提示する企業は、投資やファイナンス、システム開発職など、特定の専門職に集中しています。