GFTN Forum Japan 2025での金融庁のビジョン
2025年3月4日、東京で開催された『GFTN Forum Japan 2025』の2日目に、金融庁長官の井藤英樹氏が基調講演を行いました。このフォーラムは、Web3、AI、ステーブルコインなどの先端技術に焦点を当て、金融サービスの未来を探る貴重な機会となりました。井藤氏は「顧客のニーズが多様化している現代、単一の企業では全てのニーズを満たすことは難しい」と述べ、さまざまなイノベーションが生まれることに期待を寄せました。また、公平な競争環境の整備や新規事業の促進が金融技術の進化に寄与することの重要性も強調されました。
特に、ステーブルコインに関しては、顧客からの信頼を高める要素であると考えられ、今後のデジタル決済の在り方を変革する可能性が示唆されました。金融庁としても、官民の協力を通じて新たなビジネスモデルの創出を目指しています。
Circle社のUSDC取扱い開始
フォーラムでは、米ドルに連動したステーブルコイン「USDC」を発行するCircle社が登壇し、日本市場での展開を発表しました。特に、SBI VCトレードとの提携により、USDCが日本国内で正式に取引可能となることが注目を集めています。既に3月4日に、SBI VCトレードは「電子決済手段等取引業者」としての登録を完了し、これにより日本でのUSDCのベータ版提供が3月12日からスタートすることが決まりました。
Circle社のアジアパシフィック・バイスプレジデントを務めるChan Yam Ki氏も参加予定で、デジタルマネーの進化について深掘りされるセッションが期待されています。ステーブルコインの普及により、企業や金融機関向けの新しい決済方法が誕生する可能性が広がり、Web3領域でもの新たなソリューションが期待されます。
続くプログラムとイベント
さらに、3月5日からはフォーラムの会場を神田明神に移し、「ブロックチェーン・ラウンドテーブル by 金融庁」や「デジタルアセットサミット」といった主要プログラムが行われます。これにより、最新の技術や市場動向を知るための貴重な場となります。
特に注目を集めるのが、3月5日の夜に開催される「GFTN Women in FinTech: Dialogue over Drinks」です。このイベントでは、女性のネットワークを広げるための交流の場が提供され、Sekirara Cardとのコラボで新たな視点や知見の共有も期待されています。
GFTN Forum Japan 2025の概要
フォーラムは、2025年3月3日から7日まで東京で開催され、ベルサール東京日本橋や東京証券取引所、神田明神などで多様なセッションが展開されました。主催はGlobal Finance & Technology Network (GFTN)であり、金融庁やJPX(日本取引所グループ)、シンガポール金融管理局などが後援する本イベントは、フィンテックの発展に寄与するための重要なプラットフォームとなっています。
すべてのプログラムには、日本語通訳も用意されており、参加者がスムーズに内容を理解できるよう配慮されています。フィンテックがもたらす新しい価値を創造しつつ、グローバルな対話とコラボレーションが促進される場として、今後も注目されるイベントとなるでしょう。
詳細は公式サイトで確認できます。