ヤマハが受賞した2025年度グッドデザイン賞、革新とデザインの融合
ヤマハ株式会社が2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。受賞したのは、電子ピアノTORCH『T01』、楽器演奏者向けアプリ『Extrack』、管楽器エントリーモデルの梱包箱の3点です。また、電子ピアノ『CLPシリーズ』がロングライフデザイン賞をも受賞しました。これらはすべて、長年の機能性とデザインが高く評価された証となります。
グッドデザイン賞受賞の背景
公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」は、そのデザインが社会に価値を提供するものであるかどうかを厳しく審査します。この度の受賞は、ヤマハの42年にわたる連続受賞の一環であり、これまでのデザインアプローチがしっかり評価されたことを物語っています。受賞の要因は、革新、機能性、美しさ、そして社会的責任を果たすことにあるとされています。
TORCH『T01』の特長
電子ピアノTORCH『T01』は、木管楽器に使用される希少木材グラナディラから作られた黒い鍵盤を特徴としています。このピアノは、サステナブルなものづくりを目指す「おとの森」プロジェクトの一環として開発されました。特に注目すべきは、外装に木質ボードを採用している点です。ポリ塩化ビニルシートを使用せず、環境への配慮がなされています。
また、グラナディラ樹皮の模様をレーザー技術で表現しており、音楽だけでなく視覚的にも楽しませてくれます。この特長が「2025年度グッドデザイン賞」における「私の選んだ一品 2025」にも選ばれる理由となりました。
アプリ『Extrack』の魅力
楽器演奏者向けアプリ『Extrack』は、楽器を演奏する楽しさを引き出すために設計されています。iOSとAndroidの両方に対応し、好きな楽曲を使ってリアルな演奏体験を提供します。ユーザーは、楽器パートごとに音量を調整でき、コード進行やテンポ・キーの変更にも対応。これにより、個人練習のマンネリ化を解消し、初心者からプロまでをサポートします。
アプリの操作性も重視しており、直感的に使えるデザインが施されています。そのため、アプリに不慣れなユーザーでも楽しむことが可能です。
管楽器エントリーモデルの梱包箱
新たに設計された管楽器の梱包箱も受賞の一因となりました。フルート、クラリネット、トランペット、サクソフォンなど、5種類の楽器に対応したこの梱包箱は、特にサステナビリティに配慮したデザインが特徴です。8箱の中には、製品の価値や魅力を伝えるための洗練されたグラフィックが施されています。開封時の驚きや期待感を演出するデザインが、楽器の魅力を最大限に引き出しています。
受賞作品の展示
受賞作品は、2025年11月1日から11月5日にかけて東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」で展示されます。また、TORCH『T01』はさらに、グッドデザインの審査員が選んだ作品として、11月11日から23日までGOOD DESIGN Marunouchiでの展示も決まっています。
これらの受賞は、ヤマハの技術革新とデザインへの取り組みが実を結んだ結果です。今後も引き続き、社会に貢献する製品の開発が期待されます。