大阪・関西万博でのスポーツを通じたSDGsの特別プログラムの概要
2025年に日本で開催される大阪・関西万博を契機に、スポーツの持つ力を利用して持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を促進する特別なプログラムが実施されました。この取り組みは、日本スポーツ振興センター(JSC)と国連訓練調査研究所(UNITAR)によるもので、さまざまな関係者に対してスポーツの意義とその活用法を広めることを目的としています。
イベントのハイライト
本プログラムは、2023年5月4日に大阪・関西万博会場のテーマウィークスタジオで行われ、参加者は国内の競技団体や地方自治体、NGO、NPO、大学などからの78名にのぼりました。JSCの理事長、芦立氏による開会挨拶では、バーチャルスポーツがフィジカルなスポーツの可能性を広げ、誰もが楽しめる環境作りに貢献していることが強調されました。特にバーチャルローイングは、障がいの有無に関わらず、多くの人に楽しんでもらえるスポーツとしての可能性を示しました。
イベントでは、実際にバーチャルローイングの体験ができるブースや、2021年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会で使用された海の森水上競技場を模したコースで、パラアスリートによるデモンストレーションが行われました。訪れた人々は、真剣な競技の迫力を間近で体感し、スポーツの持つエネルギーを感じる機会となりました。
SDPワークショップの実施
続いて行われたSDP(開発と平和のためのスポーツ)ワークショップでは、JSCの山田悦子氏がスポーツを通じた社会課題の解決を目指すガイドブックを活用して、スポーツの特質をどう事業に組み込むかについて重要性を語りました。オーストラリアRMIT大学のEmma Sherry教授は、世界中のスポーツ政策がSDGsとどのように連携しているかについての調査結果を報告し、具体的な計画を持つことの重要さを訴えました。
また、ワールドローイングの細淵雅邦氏が、WWFとの協力による「Healthy Waters Alliance」などの持続可能性戦略について紹介し、ジェンダー平等の促進や環境保護の重要性を具体的な事例とともに説明しました。
参加者からの反響
参加者からは多くの質問や意見が寄せられ、「異なる分野間のコラボレーション」や「モニタリングと評価」が共通して重要であると指摘されました。このイベントは、大阪・関西万博という大規模な国際イベントを舞台に、スポーツを通じての社会課題解決の手法を広める絶好の機会となりました。これにより、今後もスポーツが持続可能な社会の実現に寄与する役割が大いに期待されています。
結語
大阪・関西万博でのこの特別プログラムは、スポーツが持つ力を通じてのSDGs達成に向けた新たな一歩となりました。多くの参加者が集まり、具体的な行動を考える機会を得ることで、今後の社会への影響が期待できるでしょう。スポーツが国や地域を超えて人々を結びつけ、共通の目的の達成に向けて協力することは、今後ますます重要なテーマとなるでしょう。