デザイナーズエッジ第8回 in 東京
ユニオンテック株式会社が主催する「デザイナーズエッジ」第8回が6月18日に開催されました。このイベントは空間デザインに携わるクリエイターや学生が集まる、刺激的な対話の場となることを目的としています。
この回のゲストには、注目の建築家である坪井秀矩氏が登場。坪井氏は「制約の中で生まれる創造」というテーマのもと、素材や空間に対する深い理解をもとにした設計思想について語りました。彼は、スモールスケールのプロジェクトに情熱を傾け、地域性を反映した独自のアプローチで知られています。
坪井氏の講演内容
坪井氏は、独立してからの14年間のキャリアを振り返り、「制約を言い訳にしない設計思想」について講演を行いました。特に、彼のプロジェクトからは、如何にして限られた条件の中で創造性を発揮するか、というテーマが浮かび上がります。
彼が紹介したプロジェクトには、美容院「anfrum」、阪急梅田の香りの専門店「ICHIKŌ ICHIE」、奈良の洞川温泉醸造所が含まれます。例えば、15坪の「anfrum」では、既存の柱と梁を活用し、空間に秩序とリズムをもたらす設計がなされています。また、9坪の「ICHIKŌ ICHIE」では、稀少な石材「本小松石」を使った什器を制作し、その素材のストーリーを空間に込めています。さらに、「洞川温泉醸造所」では地域の文化や素材との対話を重視し、街に開かれた「縁側」のようなデザインを実現しました。
参加者の反響
講演後には質疑応答が行われ、参加者同士の交流が活発に進みました。「また参加したい」「自分の設計にも取り入れたい」といった声が多数寄せられ、このイベントがデザイナー同士の学びと刺激の源であることが再確認されました。今回のイベントは、専門家や学生、プロのデザイナーが集まる中で、貴重なネットワークの構築がなされました。
次回のイベント情報
次回の「デザイナーズエッジ」は7月28日(月)に行われ、著名な建築家中山佳子氏を招聘し、最新の建築事例をもとにデザインの本質とその未来について探求します。参加は無料で、学生や若手デザイナーの参加も大歓迎です。
今回のイベントを通して感じたことは、制約というものは創造的な考えを促進し、新しい価値を生み出すための原動力になるということです。参加者は坪井氏の哲学から多くのインスピレーションを得たことでしょう。これからのデザイナーたちが彼の言葉を胸に、それぞれの設計に反映させていくことを期待しています。興味がある方はぜひ次回のイベントに参加して、自分の設計を見つめ直す良い機会にしてください。