鳥獣被害の現状
2025-03-28 13:28:42

野生鳥獣被害の現状とデジタル対策推進の課題

深刻化する鳥獣被害の現状


自治体DX推進協議会が発表した調査結果によれば、近年、野生鳥獣による被害が急速に拡大しており、特に都市部でもその影響が見られます。2023年度の農作物被害額は、全国で約160億円に達し、この問題は深刻な状況を呈しています。

調査に参加した216の自治体の約95%で鳥獣被害が確認されており、損害額は1百万円以上1千万円未満のケースが最も多く、逆に1億円を超える高額な損害も見られます。これにより、被害規模は一部の自治体で二極化が進んでいることが浮き彫りとなりました。

被害をもたらす鳥獣の実態


被害を引き起こしている鳥獣の中では、イノシシが最も多く70.9%を占めます。続いてカラス(58.7%)、ハクビシン(45.6%)、シカ(45.1%)がそれに続きます。また、特に危険度の高いクマによる被害も42.7%に達し、人身被害の可能性も含め、そのリスクは無視できません。

被害内容では、農作物への損害が圧倒的に多く92.7%を占めています。加えて、住宅地への侵入(43.2%)や家屋の糞尿被害(30.6%)も発生しており、日常生活に深刻な影響を与えています。交通事故や人的被害も報告されており、これらも痛ましい事例となっています。

鳥獣被害対策とDX化の現状


自治体は、捕獲用わなの設置(90.3%)、住民への啓発活動(68.9%)、猟友会への支援(65.0%)を主な対策として実施していますが、デジタル技術(DX・ICTツール)の導入率は33.5%と低迷しています。

導入障壁の一因としては、予算不足が65%と最も大きく挙げられます。その他に人材不足や運用に対する不安も多くの自治体が抱えており、導入に向けた課題が山積しています。とはいえ、ツールの導入の効果を疑問視する自治体は少なく、多くがその有効性を認識しています。

重視されるDX化への期待


自治体の約8割(79.2%)はDX・ICTツールに関心を示していますが、予算や人材不足により実際の導入には至っていないのが現状です。効果的なツールが存在する場合、約56%の自治体は予算確保の可能性を示唆しており、期待の高さが伺えます。特に高齢化が進む中で、捕獲作業を行う人々の負担軽減や効率化が求められています。

最後に


自治体DX推進協議会は、鳥獣被害対策のDX化には多面的なアプローチが必要だと強調しています。技術の改善のみならず、人材育成や予算確保、運用体制をしっかり整えることが求められています。地域に即した持続可能な取り組みとして、支援の仕組みを効果的に作り上げることが急務とされているのです。

無料で配布される実態調査レポート


今回公表された「2024年7月鳥獣被害対策DX実態調査レポート」は、自治体職員や関心のある事業者、研究者向けに無料配布されています。日々進化する地域課題に対して、しっかりと実態を把握し、適切な対策を講じるための貴重な情報源となります。詳細は自治体DX推進協議会のウェブサイトを通じてご確認ください。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

関連リンク

サードペディア百科事典: 自治体DX 鳥獣被害 デジタル対策

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。