若者がSNS情報をより信用する理由とその影響とは?
最近の調査で、SNSの情報に対する信頼度が年齢層によって異なることがわかりました。株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した「SNS情報の信用度に関する調査」では、特に10代から20代の若者たちがSNSでの情報を高く評価している実態が浮き彫りになっています。この調査は、2024年11月29日から12月4日の期間に行われ、10代から60代のSNS利用者1,200名を対象にしました。
調査結果の概要
情報の出所とその信用度
調査によると、最も信頼されているメディアは「テレビ」で43.5%、次に「新聞」が36.7%、そしてSNSは僅か13.1%という結果でした。特に興味深いのは、SNSの中でも「YouTube」、「X(旧Twitter)」、「Instagram」がそれぞれ約2割の支持を得ているものの、回答者の約6割は「特になし」と答えたことです。この結果から、SNSは他の伝統的メディアに比べて、まだまだ信頼性が低いと見なされていることがわかります。
若年層の信用度
全体の約半数(47.8%)がSNSの情報を「信用する」と回答した中で、特に10代はその割合が約6割にも達しています。対して、他の年代においては「信用できる」との回答は下がりがちで、若年層がSNSを重要な情報源として利用していることが明確になりました。また、SNSの情報が信用できるかについて年代別に見ると、10代・20代でこの意見が強い一方で、60代では「いいえ」との回答が多く、世代によって意見が大きく異なることが伺えます。
情報のファクトチェック傾向
さらに、SNS上で目にした情報について自分なりにファクトチェックを行う割合も年代によって差が表れています。全体の61.5%が何らかの形で確認を行っていると答えましたが、これが10代においては約8割に及ぶという結果でした。これは、情報を積極的に消化しようとする姿勢が強いことを示しています。
デマ情報への対処
SNS上でのデマ情報に対する姿勢も調査の焦点となりました。全体の83.8%がデマ情報を「スルーする」と回答する中、特に20代では「通報する」行動を取る割合が高く、若い世代における危機意識の高まりを反映しています。
アルゴリズムの理解度
加えて、SNSにおける情報配信のアルゴリズムに関する知識も重要なポイントです。「自分専用のコンテンツが表示される」というアルゴリズムを「知っている」との回答は全体で35.1%で、若年層ではこの認知度が高く、特に10代で約40%、20代で50%が理解していることがわかりました。一方で、60代では認知度が約20%と低く、これが情報収集の仕方にも影響を及ぼしている可能性があります。
結論:情報リテラシーの重要性
消費経済アナリストの渡辺広明氏が指摘するように、SNSの表示内容が個々のユーザー向けに最適化されていることを知らない人が多い現状は危険です。自分の価値観が他者と一致していると誤解することが、共存的社会の日常を脅かす要因にもなりかねません。情報の多様性を確保し、自分でリテラシーを向上させることが、今後さらに求められる時代です。
この調査結果を受けて、今後のSNS活用においては、情報の発信者も受信者もより一層の注意が必要です。信頼できる情報源を見極め、自らの思考を守るためにファクトチェックの習慣を取り入れることが重要です。