J.D. パワーが初めての満足度調査を実施
株式会社J.D. パワー ジャパンは、2025年のアクティブ型投資信託に関する初の満足度調査結果を公表しました。この調査の実施は、近年の低金利環境や長寿化に伴い、個人の資産形成が重要視されている中で、急速に高まる投資への関心を反映しています。
アクティブ・ファンドに注目
近年、多くの個人投資家がアクティブ型投資信託に関心を寄せていますが、数が6,000本以上に及ぶことで、どのファンドを選ぶかは容易ではありません。そこでJ.D. パワーは、個人投資家がどのようにファンドを選択するのか、満足している点や不満な点、求めている情報やサポートについての体系的な情報を得ることを目指し、この調査を実施しました。
満足度の構造を明確化
調査では、アクティブ・ファンドに対する満足度を「運用方針」「運用実績」「情報提供」「コスト」という4つの要因をもとに測定しました。その結果、「運用実績」が最も重視され、47%の影響度であることが分かりました。続いて「運用方針」が24%、それに「コスト」が16%、最後に「情報提供」が12%という結果でした。これは、ファンド選びにおいては運用成績が重視されるが、それだけでは不十分であることを示しており、様々な要因が総合的に満足度に寄与することがわかります。
投資哲学との相関性
興味深い点は、個人投資家の満足度が投資哲学の魅力と高い相関性を持つことです。調査で満足度が高い投資家ほど、そのファンドの「投資哲学」に引かれていることが確認されました。単に運用成績だけでなく、運用会社の理念や価値観に共感していることが、信頼関係を築く要因となっているようです。
満足度の高い個人投資家は、ファンドの継続的な保有、さらなる追加投資、そして他者への推奨の意向も非常に高いことが分かりました。これは、魅力的な投資哲学と高い満足度がファンド市場の活性化に寄与することを示しています。
満足度ランキングの発表
J.D. パワーは、アクティブ型投資信託満足度でのランキングも発表しました。大規模なファンド部門では「インベスコ 世界厳選株式オープン」が1位となり、運用実績や方針、情報提供の各ファクターで高評価でした。その他、アセットマネジメントOneやアライアンス・バーンスタインのファンドも続きました。
中規模ファンド部門では、セゾン・グローバルバランスファンドが最高評価を得ており、モルガン・スタンレーやさわかみファンドも上位にランクインしています。
この調査は、個人投資家の視点から見たアクティブ型投資信託の市場をより深く理解するための貴重なデータを提供しており、今後の投資行動にも大きな影響を与えることでしょう。顧客満足度の向上が、経済成長に貢献する重要な要素として期待されます。