ニュー・ボンド・ストリートが世界一の商業エリアに
ロンドンのニュー・ボンド・ストリートは、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが発表した報告書『世界のメインストリート2025』で、賃料が過去1年で22%上昇し、平方フィート当たり2,231ドルとなったことで、世界で最も高額な商業エリアに選ばれました。このニュースは、小売業界にとって大きな驚きとなっています。
賃料上昇の背景
賃料の上昇を支えているのは、堅調な需要と限られた供給です。特に、ニュー・ボンド・ストリートのクリフォード・ストリートとバーリントン・ガーデンズ間に位置する高級宝飾品販売店は、世界で最も競争の激しいエリアの一つとして注目を集めています。この地域の賃料は、ミラノのモンテナポレオーネ通りやニューヨークのアッパー5番街を上回ることとなりました。
昨年初めて世界一の商業エリアとなったニュー・ボンド・ストリートは、これまでに比べて顕著な発展を見せており、賃料上昇率が他地域を圧倒しています。商業不動産市場全体では、平均賃料は4.2%の上昇を見せ、その内58%の調査対象エリアで賃料が上昇しました。
アジア太平洋地域の状況
アジア太平洋地域に目を向けると、東京の銀座と表参道もそれぞれ10%・13%の賃料上昇を記録し、堅調な動向を示しています。インドなどの一部一流都市が経済回復を牽引しており、アジア市場でも大きな差が見られる結果となりました。しかし、アジア全体では賃料上昇率が鈍化し、2024年の2.8%から2025年には2.1%へと下がる予測もあります。
調査の見解
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの国際調査部門の責任者であるドミニク・ブラウン博士は、賃料の上昇は経済的成長や生活費負担の緩和など複数の要因が交わった結果であり、ブランドの強化や消費者の関心が集まる場所で店舗を構えることの重要性が引き続き強調されると述べています。
日本における市場の動向
日本では、銀座と表参道が好調ではあるものの、香港の尖沙咀では賃料が6%減少するなど、地域によって賃料の動向が大きく異なる事実が浮かび上がります。
まとめ
ロンドンのニュー・ボンド・ストリートの賃料が世界一となったことは、単なる数字の上昇に留まらず、都市の魅力や小売業界におけるブランドの重要性を再認識させる出来事です。グローバル市場の変化に伴い、今後も消費者のニーズに応えるための戦略が求められるでしょう。具体的なデータや市場動向は、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの詳細レポートも参照してください。