澤田瞳子の新たな挑戦:連載小説『暁を踏む馬』
直木賞作家として名を馳せる澤田瞳子さんが、2024年4月1日から産経新聞朝刊にて新しい連載小説『暁を踏む馬』を開始します。これは彼女にとって7回目の新聞連載となります。この新作は、東京・日本橋に存在する古美術店「壺中居」の共同創業者、広田不孤斎の若き頃から晩年までの人生を描いたものです。
広田不孤斎は、中国陶磁器の美的価値を広め、多くの人々に愛されてきた美術商です。彼の情熱や信念、さらには関東大震災や戦争による試練を通じての彼の歩みが、本作では描かれます。澤田さんは、歴史・時代小説に定評があり、既に『若冲』や『星落ちて、なお』など数々の作品で高い評価を受けています。
この連載小説では、激動の大正から昭和の東京を背景に、広田とその盟友たちの波乱に満ちた人生を紡いでいきます。挿絵は著名な画家、大前純史さんが手がけるため、文章と絵のコラボレーションによって新たな表現の領域が広がることが期待されます。
澤田さんは自身の創作に対して「新聞連載を書くときは、常に楽しみながら物語を作り上げています。挿絵が付くことで、自分でも思い描かなかった新しい視点が生まれることが魅力の一つです」とコメントしています。
また、2024年は昭和100年という特別な年でもあります。この時代を振り返りながら、読者にとっての「昭和」という時代を再考させられる作品に仕上げることができればと意気込みを語りました。
澤田瞳子について
澤田瞳子さんは1977年に京都府で生まれ、同志社大学で文化史を専攻。その後、大学院を修了し、2011年にデビュー作『孤鷹の天』が中山義秀文学賞を受賞しました。以降も多くの書籍を発表し、『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、『若冲』で親鸞賞、さらには2021年に『星落ちて、なお』で直木賞を受賞するなど、名実ともに実力派作家として君臨しています。
新作『暁を踏む馬』に期待が高まる中、澤田さんの文章から描き出される歴史的背景や人物の情熱的な姿勢には、読者を引き込む力があります。この作品を通じて、特に難しい時代を生きた人々の思いを感じ取り、近代日本の歴史に対する理解を深めることができるでしょう。
新連載小説『暁を踏む馬』は、毎日産経新聞に掲載される予定ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく!