聞こえを支えるまち
2025-07-28 01:12:23

岡山大学が推進する「聞こえを支えるまち」への新たな取り組みとは

岡山大学、地域の「聞こえ支援」の新たなモデルを構築



2025年7月2日、岡山大学が岡山市およびデマント・ジャパン株式会社と締結した三者連携協定は、「City for Better Hearing」、すなわち「聞こえを支えるまち」を実現するための重要な一歩です。この取り組みは、高齢者の加齢性難聴への理解を深め、早期発見と対応を促進することを目的にしています。少子高齢化が進む現代とりわけ重要視される課題であるため、岡山大学はこの協定を通じて地域の生活の質(QOL)を向上させ、持続可能な社会の実現を目指します。

特に注目されるのは、聴覚検診車「Audika GO」を活用したスクリーニング活動です。この移動検診車は、地域住民に対して気軽に聴覚検査を提供する役割を担い、結果に基づいた受診勧奨を行うことで難聴の早期発見を図ります。また、専門人材の育成や、補聴器の装用を推進するための教育も行い、聴覚ケアの普及にも寄与します。

調印式には、岡山大学の那須保友学長をはじめ、岡山市の大森雅夫市長やデマント・ジャパンの齋藤徹代表取締役社長が出席しました。この協定が地域に根差したSDGsを進め、包括的な社会を実現することへの期待が高まりました。那須学長が述べたように、「誰一人取り残さないCity for Better Hearing」に向けた取り組みは、岡山の新たなモデルとして国内外に発信していくことが期待されています。

また、大森市長は「耳の健康が向上すれば、市民の健康寿命も延びる」という見解を示し、地域全体での支援体制の構築を強調しました。この協定に期待されるのは、地域住民への聴覚ケアの普及や啓発活動であり、今後、聴覚に関する意識の向上にもつながるでしょう。

ガイダンスとして、調印式には駐日デンマーク王国大使館の代表が参加。北欧デンマークにおける補聴支援の先進事例との親和性が強調され、国際連携の深化が期待される場となりました。

さらに、岡山大学では令和5年度から「聴覚支援センター」を立ち上げ、医療・福祉・教育を横断した総合的支援体制も構築しつつあります。この取り組みは、自治体、大学、企業が連携し、現在の社会課題である加齢性難聴に対する先進的なアプローチとなるでしょう。

協定締結の意義は、ただの地域貢献に留まらず、SDGsの理念による持続可能な社会の実現へもつながります。文部科学省が支援する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されたことで、岡山大学は「Human Health」「Community Health」をテーマに、地域の健康と持続可能な発展を先導する役割を果たすことが期待されています。

さらに、特別企画として実施された聴覚検診車「Audika GO」の展示やデモンストレーションでは、参加者が直接支援技術を体験し、今後の運用に向けた意見交換も行われました。これにより、地域住民がリアルに自らの耳の健康管理に関わる機会が提供され、聴覚への理解も深まることが期待されています。

これからも岡山大学は、地域と国際社会をつなぐ実践的な共創モデルとして、「聞こえにやさしい社会」の実現に向けた取り組みを進めていきます。岡山大学の新たな挑戦には多くの期待が寄せられています。


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