茨城県庁とリチェルカが戦略提携
茨城県庁は、株式会社リチェルカと提携し、次世代AI-OCR「RECERQA Scan」の導入実証実験(PoC)を開始しました。この事例は、リチェルカにとって全国の自治体での初めての採用となります。
地域DX推進の背景
大井川和彦知事が就任以来、茨城県ではデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進してきました。就任からわずか4か月で、庁内の電子決裁システムの利用率をほぼ100%に引き上げたほか、RPAの導入により年間で7.5万時間もの業務時間を削減しています。2024年には生成AIを現場検証に導入し、職員1人あたり月127分の業務時間削減を実現する方針です。
しかし、依然として支払票や旅費精算など、さまざまな紙やPDFの書類については手入力と目視での確認が必要でした。従来のAI-OCRでは、帳票フォーマットごとに設定や学習が必要であるため、自治体の業務には不向きでした。そんな中、学習不要で高精度に非定型帳票を読み取れる「RECERQA Scan」が注目され、そのPoCが実施されることになりました。
RECERQA Scanを選んだ理由
リチェルカが提供する「RECERQA Scan」は、多岐にわたる書類タイプや部門での利用を考慮し、精度と使いやすさに優れたOCRソリューションです。具体的には、異なるフォーマットでも高い読取精度を維持できるため、多様な書類にも対応可能です。ユーザーは、読み取りたい項目を指定するだけで、事前学習なしにすぐに使用を開始できます。
PoCの実施詳細
今回のPoCは、2025年の7月から9月の約3か月間にわたり実施されます。対象部門は会計事務局および総務部で、具体的な検証書類には支出管理や旅費精算に必要な書類が含まれます。
検証項目と効果
PoCでは、書類の自動判定や項目抽出の精度、手作業削減時間に焦点を当て、具体的な効果を確認します。効果が実証できれば、さらに多くの業務フローや他部門への展開も検討される予定です。
期待される成果
茨城県庁の稲垣DX推進担当は、従来のOCRでは限界がある業務が多く、「RECERQA Scan」に出会ったことで高精度でのデータ化が期待できるとコメントしています。リチェルカのCEOである梅田祥太朗も、同製品は自治体業務に非常に適していると確信しています。
まとめ
「RECERQA Scan」のPoCを通じて、リチェルカと茨城県庁は業務のペーパーレス化、及び効率化に向けた重要な一歩を踏み出しました。今後、この取り組みが全国の自治体に広がり、より良い行政サービスの実現に寄与することが期待されています。さらに、リチェルカが持つAI技術が、従来の業務にイノベーションをもたらすことでしょう。