AIエージェントの共同開発がもたらす新たな可能性
社会のデジタル化が進む中で、企業内の情報管理がますます重要になっています。情報がさまざまなシステムに分散しているため、必要なデータを検索するのに多くの時間を費やす企業が多く存在します。この課題に対応しようと、rakumo株式会社(以下、rakumo)とクラウドエース株式会社(以下、クラウドエース)が手を組み、AIエージェントの共同開発に乗り出しました。このプロジェクトは、Google Cloud の提供するAIエージェント開発環境「Google Agentspace」を活用し、企業での生産性向上に寄与することを目的としています。
プロジェクトの背景と目的
現代の企業では、情報がさまざまな場所に分散して保存されているため、必要な情報を迅速に見つけ出すのが難しい状況が続いています。特にHR部門やサポート部門では、日常的に多くの質問が寄せられ、情報を探すために多くの時間を消費しています。これを受け、rakumoとクラウドエースは協力し、AIエージェントを開発することで、社内情報の検索を効率化し、業務の生産性を向上させる試みを始めました。
開発されるAIエージェントの種類
このプロジェクトでは、特に以下の3つのAIエージェントが重点的に開発され、それぞれの機能が社内の業務にどのように役立つかが実証実験されます。
1. 社内Q&Aエージェント
このエージェントは、従業員からのさまざまな問いかけ—「有給休暇の申請方法」や「備品購入の承認者は誰か」といったよくある質問—に対して、Google Workspaceに保存されているデータを基に自動的に回答を生成します。これにより人事や総務部門にかかる負担が大幅に軽減され、従業員がより効率的に業務を進めることができるようになります。
2. オンボーディング支援エージェント
新入社員や中途採用の社員が入社後の学習をスムーズに行えるように支援するエージェントです。このエージェントに質問をすることで、会社の方針や部署の役割、業務マニュアルなどの情報を簡単に取得でき、早期の戦力化を可能にします。新しい環境での慣れがスピーディに行われることで、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
3. ユーザーサポート支援エージェント
顧客からの問い合わせに対するサポートを行うこのエージェントは、Googleドライブに保管されている過去のマニュアルや対応履歴を瞬時に検索し、サポート部門に対して最適な回答候補を提示します。これにより、特にサポート業務の効率が向上し、顧客への対応速度とサービスの質が向上します。
プロジェクトの展開と今後の展望
rakumoは、要件定義やAIエージェントの設計・実装を担当し、自社でのUX/UI設計の経験を活かして、ユーザーフレンドリーなエージェントを構築します。一方、クラウドエースはプロジェクト全体の管理やGoogle Agentspaceの導入を支援し、技術面での強みを発揮します。
この実証実験は、2025年7月から10月の期間で実施される予定です。そして、この共同開発の成果を踏まえ、今後はrakumoが提供するさまざまなサービスデータやSalesforce情報を統合した「統合検索エージェント」の開発も視野に入れています。さらには、Google Cloud Marketplaceを通じて、開発したAIエージェントのサービス化や販売を検討し、企業の生産性向上を支援することを目指しています。
まとめ
今回のrakumoとクラウドエースの共同開発は、企業が抱える情報管理の課題に対する新たな解決策となる可能性を秘めています。AIエージェントの導入により、業務の効率化や生産性の向上が期待され、今後のビジネスシーンにおける影響は計り知れません。今後の展開に注目が集まります。さらに詳しい情報については、
Google Agentspaceの公式サイトをご覧ください。