未来の森を育む「パルシステムの森(仮称)」の提案と期待
近日、山梨県大月市において、パルシステム生活協同組合連合会と南都留森林組合の産直提携10周年を祝う「森林産直会議」が開催されました。この会議では、過去10年間の取り組みを振り返り、未来へのステップとして「パルシステムの森(仮称)」という新たな構想が提案されました。
10年の歴史と未来への展望
南都留森林組合とパルシステムの連携は2012年から始まりましたが、その中で「森の産直」が生まれました。これまでに、間伐材を活用した「めぐる森のしいたけ栽培セット」など、様々な商品が開発され、利用者に森の魅力を届けてきました。この取り組みは、地元の資源を最大限に活用しながら、持続可能な方法で環境への配慮を忘れずに行われています。
今後の活動において、特に注目されているのが「パルシステムの森(仮称)」です。これは、地域住民や利用者が自然と直に触れ合い、学び合える場所として設計されており、環境保全の重要性を深く理解する場となることが期待されています。杉本組合長は、この新拠点が「地域に根ざしたなくてはならない場所」へと育っていくことを目指すと述べました。
具体的な取り組みと新商品の紹介
さらに、2025年度からは「めぐる森のステップチェア」や「めぐる森の2WAYテーブル」といった新たな家具も登場します。これらの製品は、森の温もりを感じながら、日本の林業が抱える課題に対処することを意識したデザインで作られています。商品を通じて、持続可能な生活様式を提案すると同時に、利用者の意識を高めることも狙いです。
加えて「産直トラック」構想も始まり、これは南都留森林組合のアカマツ材をトラックの床材に採用することを目指しています。これにより、従来の海外材から国産の間伐材に切り替え、CO2排出の削減にも寄与します。
人と森がつながる「顔の見える関係」
パルシステムは、「つくる人」と「食べる人」の交流を重視しています。森林産直においても、組合員が直接産地を訪問する「産地へ行こう。」ツアーや、職員向けの研修を通じて、脈々と受け継がれる森の重要性を学ぶ場を提供してきました。これに参加した人々は、「森を守る方々の想いに触れ、木製品へ深い愛着が生まれた」といった感想を寄せています。
パルシステムの理念と今後の取り組み
最後に、パルシステムは「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」という理念の下、首都圏を中心とした186万世帯以上の利用者に、安全で環境に配慮した商品を提供しています。今後とも、南都留森林組合との「顔の見える関係」を基軸にして、持続可能な形で森の恵みを享受しながら、自然を未来へ繋ぐ活動に邁進していく方針です。また、2025年は国際協同組合年であり、さらなる団結を目指した取り組みも期待されています。