認知不足が目立つ保険証の有効期限に関する調査結果
最近、税理士の菅原由一さんが運営するYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』が実施したアンケート調査で、国民健康保険および後期高齢者医療制度における保険証の有効期限や資格確認書に対する認知の低さが明らかとなりました。この調査は2025年8月に行われ、全国から選ばれた300名の国保加入者と88名の後期高齢者医療制度加入者が対象でした。
調査の概要
調査はインターネットを介して実施され、特にマイナ保険証未登録者を選定し、その認知度や受取状況を確認しました。結果として、国民健康保険加入者の約26.3%が保険証の有効期限を理解しておらず、後期高齢者医療制度加入者でも約13.6%がその事実を知らないという結果が出ました。
また、自分の国民健康保険証の有効期限を知っている人は57.7%に過ぎず、42.3%の人々が期限について知らないと回答しました。これにより、多くの人が期限切れによる医療トラブルのリスクにさらされていることが分かります。
資格確認書の受取状況
「資格確認書」とは、マイナ保険証を持たないか、マイナンバーカードを利用できない利用者のために用意された書類です。この資格確認書を受け取った人は、国保加入者では35.7%、後期高齢者では78.4%であったことが調査で判明しました。特に国保加入者においては35.7%の人が未だに「届いていない」と答え、28.7%は状況が不明であることを示しました。
このデータから、資格確認書の郵送状況やそれに対する周知体制に改善の余地があることが浮き彫りとなります。
認知の低さがもたらす問題
税理士の菅原さんは、調査結果を通じて多くの人々が保険証の有効期限や資格確認書の意味を十分に理解していないと指摘しています。特に国保加入者では、約64.4%の人が資格確認書が届いていない、またはその状況がわからないと考えており、 長期的な医療トラブルの発生が懸念されます。
制度改正が進む中、2024年12月から健康保険証の新規発行が停止され、マイナンバーカードとの統合が進められています。この過渡期において、現行の保険証の有効期限が切れると医療を受けることができなくなるため、注意が必要です。特に70歳以上の高齢者層は、新たな制度に適応しきれていない人が多く、これが医療の受けられない状態に繋がる懸念が高まっています。
マイナ保険証が利用されない理由
さらには、マイナ保険証の登録率は約80%に達しているものの、実際の利用率は約30%に留まっており、多くの国民がその利用をためらっています。主な理由には、紛失や情報漏洩のリスク、システムトラブルによる不安などがあります。多くの人がマイナ保険証よりも、従来の保険証の方が信頼性が高いと感じているためです。
まとめ
このように、研究を通じて明らかになった保険証の有効期限に対する認知の低さは、しっかりとした周知と改善が求められます。特に高齢者層への情報提供を強化し、制度への適応を促すことが急務です。今後は、より多くの人が安心して医療を受けられるよう、制度改革が進められることが期待されます。