医療従事者向けLGBTQ+とHIVの基礎知識動画が登場!
認定NPO法人ぷれいす東京が提供する「日常診療に活かすLGBTQ+とHIVの基礎知識」という学習動画シリーズが、医療従事者や支援者の方々に向けて公開されています。今年は2025年12月末まで視聴が可能で、医療系学生も対象として含まれています。この取り組みは、LGBTQ+の当事者が安心して医療を受けられる環境を整えることを目指しています。
動画プログラムの内容
このシリーズは全10本から構成されており、それぞれのプログラムは20〜25分程度で視聴できます。提供される情報は、医療の基礎知識に始まり、医療現場での課題、当事者の意見、さらには法律や人権に関する視点まで幅広く取り扱っています。
例えば、問診票での性別の扱いや、同性パートナーの入院時の面会問題について、一般的な医療機関での改善策や事例を交えて具体的に紹介しています。ちなみに、出演者には臨床医だけでなく、心理士や作業療法士、弁護士、実際のLGBTQ+当事者やHIV陽性者も含まれ、それぞれの視点から解説しています。
医療アクセスの向上を目指して
日本の医療機関は誰もが利用可能であるべきですが、現状では多くの医療従事者が「シスジェンダー」かつ「異性愛者」であるという認識に偏っているのが問題です。そのため、以下のような深刻な課題が生じています。
- - アウティングが恐れられ、医療機関を訪れることをためらう
- - 性別適合手術やホルモン療法の履歴を問診票に記載できない
- - 同性パートナーが入院後に家族として認められず、医療者からの説明が受けられない
このような状況で、心身の健康を守るはずの医療が、逆に人々を遠ざけてしまっている現実があります。法律や制度が不十分な日本において、医療現場の改善を進めることは非常に重要です。この動画内では、多くの医療機関がすぐにでも実践できる具体的な対応を示しています。
知識の拡充を!
もし興味を持たれた方は、公式サイトから申込みも可能です。なお、今現在、公式サイトではダイジェスト映像も一般公開されていますので、興味のある方はぜひ視聴してみてください。
申込サイト:
https://consent.info/for-medical
取り組みの背景
LGBTQ+の人々が医療を受ける際の不安を解消し、彼らが適切な医療を受けられるようにするための背景には、長い間続いてきた医療従事者の意識の壁があります。
認定NPO法人ぷれいす東京は、1994年から活動を開始し、HIV予防啓発や陽性者のためのプログラムを行ってきました。近年ではLGBTQ+に関わる医療ニーズの調査や啓発動画の制作など、その活動の幅を広げています。
このような取り組みを通じて、医療現場の知識や理解が深まり、より多くの方が受診しやすい環境へと進化していくことが期待されています。安全で安心な医療を目指して、これからも活動が続けられていくことを願っています。