2030年問題に挑む人事戦略:HR Leaders CAMP 2025での知見
2025年5月15日に開催されたEight主催の「第3回 HR Leaders CAMP 2025」では、One人事株式会社のHRTech SaaS事業部長である宮原一成氏が登壇し、2030年問題に対応するための人事戦略についての講演を行いました。
一人事の中核をなす人材とその経験
宮原氏は1998年にマイクロソフトに入社。その後、ビル・ゲイツから評価されるChairman’s Awardを受賞した経歴を持ちます。2016年にはチームスピリットに参画し、さらに多様な企業での経験を経て、2024年にOne人事に入社しました。これらの経験を活かしながら、人事の可能性とその影響力について強く語りました。
人事の影響力と変革の可能性
講演の冒頭で宮原氏は、「人事は全従業員に影響を与えられる数少ない職種の一つ」と述べ、その役割の重要性を訴えました。実際、現場に寄り添った支援が特に大切であり、実績を基にした信頼性の高いサービスの提供を目指しています。
人事戦略と2030年問題
2030年問題とは、65歳以上の高齢者が人口の30%を超えるという社会的課題です。この問題への対処は急務であり、実際多くの企業で人手不足が深刻化しています。宮原氏は、すでにこの問題に直面している企業が多いとし、次の二つのアプローチを提案しました。
1.
量的アプローチ - これは働く意思のある未就業者や他社からの人材獲得を含む施策であり、人手不足を解消する手段として重要です。
2.
質的アプローチ - ここでは、一人ひとりの生産性を高めることが求められます。
テクノロジーと人事の未来
宮原氏は特に質的アプローチに焦点を当て、「現場の負担を減らし、成果を最大限にする」必要があると指摘しました。人事部門多くの業務が管理職に偏り、戦略的なアプローチに時間を割くことが困難な現状に対し、業務効率化の手立てを講じるべきであると提唱しました。
断片化した人事業務の改善
One人事が目指すのは、異なるシステムを使用することによる非効率を排除し、全社でのデータ活用を促すことです。さらに、場面ごとに最適なシステムを提供し、従業員と人事部門のインプットを最小限に抑えることが求められます。これにより、各自が本来注力すべき業務にシフトできる環境を構築します。
理想の人事基盤の構築
宮原氏は、One人事が掲げる理想の人事基盤についても触れ、誰もが簡単にデータを入力できる仕組みの必要性を強調しました。最終的には、画一的なシステムの導入が進むことで、経営戦略や現場の判断においてリアルタイムで情報を把握することが可能になります。これにより、経営判断はデータに基づくものであり、従来の経験則から一歩進んだ形での意思決定がなされることが期待されます。
宮原氏の講演は、未来の人事が抱える課題に対してどのように立ち向かうべきか、そして「One人事」がその解決策をいかに提供していくかを示す有意義な内容となりました。人事部門の重要性が高まる今、One人事は企業の持続的成長に貢献し続けることでしょう。